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恋愛日記
恋愛リレー小説 - 青春

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恋愛日記 8

「坂下綾!?」
「は、はいっ」
いきなり名前を呼ばれ私はとっさに返事をしてしまった。
声のした方を見ると本屋の店員らしき男が口を押さえていた。
「…誰?」
私は知らない男にいきなりフルネームで呼ばれたことに警戒する。
「あ…すいません、怪しまないでください(笑)俺先輩と同中の一年、真田と言います…」
エプロン姿の真田と名乗る男は、照れながら頬をかく。私は雑誌を元に戻し、どうもとあいさつする。
「…あれ?…先輩俺のこと知りませんか?」
「?…私人の顔覚えるの苦手だし…どこかであった?」
私は首を傾げた。
「いえ…直接話すのは初めてですけど…先輩、高島遥美って知ってます?」
「遥美ちゃん?彰の妹?知ってるけど…」
私はさらに首を傾げる。
「あいつなんか言ってませんでした?先輩に紹介したい人がいるとか…」
必死に問いただす真田。
「…黒田に紹介したい人なら聞いたけど?」
私が答えると真田はそれだけ?とまた聞き返し、やはり聞いていないと知ると肩を落とした。
「…そうっすか…高島のやろ、笹原の事しか…。あ、引き止めてすいません!」
そう言うと真田は店の奥に戻っていった。
一年のやることはよくわからん!と綾は駅の方を回って家路についた。


――次の日
「また来た…」
理彩の眉間に皺が寄る。見ると、遥美ちゃんがドアの所で私に向かって手を振っている。
「変なのに懐かれちゃって…シカトしたらぁ?」
「でも約束しちゃったからなぁ…」
私は遥美ちゃんの所へ行った。
「先輩昨日真田って子に会いました?あいつ、綾先輩と仲良くしたいみたいなんですけど、美人な先輩とは釣り合いませんよね?無視していいですから☆…それでこの子が…」
遥美は隣にいる女の子の背を押す。
「さ、笹原伊織です」
「初めまして、坂下綾です!」
「うわ〜!!やっぱ実物はすごい綺麗だよぉ〜!!助けて遥美〜!!」
伊織ちゃんはまたうしろに隠れた。
「全然綺麗じゃないよ〜!!」
といいながらもなぜか照れてる私…
「…それで私は何したらいいのかな?」
遥美ちゃんと伊織ちゃんは目を合わせてうん!とうなづく。
「もし黒田先輩と遊ぶ時あったら伊織もよんでもらえませんか!?」
遥美ちゃんは真剣な目で私に詰め寄る。
「そんな、あつかましいよぉ〜。誕生日とか…趣味とか聞きたいです」
伊織は頬を染めながら遥美の肩ごしに私を見た。そんな弱気じゃダメだよ!!と遥美は伊織を叱咤した。
この間初めて話したばかりの私が、黒田について詳しいことを知るわけがない。私は困ったなぁとため息を吐く。

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