恋愛日記 30
「塩崎 コウキ!去年のデビュー以来爆発的人気を誇る、モデル界随一の美男子!その俺をしらないっての!?」
私と真田くんが素直に首を縦に振ると、信じられなーい!と叫び塩崎は崩れた。
「すいません…私、そういうの興味なくて」
「つーか今時カリスマ言ってる辺り、人気が本当にあるのか怪しすぎるっす」
自身喪失でしゃがみこむ塩崎の肩を叩くと、黒田がつけたす。
「いや、一応うちの事務所が今一番おしてるモデル。人気で歌も出すらしいけど、如何せんこの様…。いつか女でスキャンダル記事とられるよ、おまえは」
「べつにお前に関係ね〜だろぉ?」
「…まあいいけど。とにかくもうすぐ映画始まるから、さいなら〜」
黒田は私の手をとって先へ急いだ。
こうき君の事を少し気にしながらも手を触ってくれた喜びで顔がにやけてしまう…
(一番って言ってたけど私の中では黒田のほうが格好いいよ〜)
「…二人で行っちゃった…。」
置いてかれた真田は不愉快な表情をして二人の後を追いかけた。
「せんぱーい」
二人に真田の走ってる姿が見えた
「「あ」」
綾と黒田の声が重なった。
「置いていかないで下さいよ〜泣」