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恋愛日記
恋愛リレー小説 - 青春

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恋愛日記 6

「顔に似合わないってよく言われる」
意外にも黒田はよく笑う。

「なんか黒田見た目暗いけど話すと普通だね」
私はモンブランを崩しながら言った。黒田はタルトを口に運ぶ。
「人見知りだからね。あんまり徒党組むの好きじゃないし」
口をもぐもぐさせながら、黒田は幸せそうな顔で話す。
「ふ〜ん…」
真剣にケーキを食べる黒田から視線を外すと、周りにいるお客(大半は女の子)が私たちを見ていることに気付いた。
(そういや理彩が黒田はモデルもしてるとか言ってたなぁ…)
まじまじと黒田の顔を見てみた。どこを見ても完璧な顔だち…
(…やっぱつり合ってないよね)
私は苦笑してモンブランをまた口へ運んだ。
「ねぇ!」
いきなり黒田がにこにこして声をかけてきた。
「な……何!?」
「苺ムースも頼んでいい?」
こいつは周りの女の目線に気付いてないのか、慣れているだけなのか?天然なのか?
「どうぞ♪」
その笑顔につられるままに言ってしまった。自分の財布の事なんか考えもせずに…
案の定お金が三十八円足りなかった私は黒田に五十円借りてしまった・・・また借りを作ってしまった
―――次の日
「聞いたぞぉ〜♪」
理彩はにたぁ〜っと笑うと私の前の席に座る。
「な、何を?」
「黒田純となぞの美女!!ラブラブ放課後デート☆…って。校内はもちろんこの辺の中学中の噂」
理彩は話を聞きたそうに私を見つめる。
「数学教えてくれたお礼!!それだけ!!」
私は机をドンっと叩く。すると丁度黒田が教室に入ってきた。
(あ、お金返さなきゃ…)
そう思ったものの、目の前の理彩を含む女子の目が気になり私はあいさつすら出来なかった。
(しょうがない…封筒に入れて下駄箱に入れておくか!!)
そう思った瞬間黒田が私に気づき、席に近づいて声をかけてくれた。
「あのさ、昨日のお金…気にしなくていいから!!」
思いもよらない言葉にびっくりした。
「え…悪いよ…」
私は周りの女の子達を気にして小さい声で言った。
「大丈夫!!気にしないで!昨日わ楽しかったし、ありがと」
またあの笑顔…。
もう…話す理由なくなったな〜…ちょっとさみしいな。
「……そっか〜!私も…楽しかった!」
そう言うと黒田は席に戻ろうとしていたけどまた私の席の前にきた。

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