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恋愛日記
恋愛リレー小説 - 青春

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恋愛日記 5

「もぉぉぉ〜!!わからないぃぃ!!」
数字を見ると頭が痛くなる体質の私は机に頭をくっつけた。
――ガラガラ
誰もいなかった教室のドアが突然開いた。
「誰!!」
そこにたっていた人は今日初めて名前を知った人、黒田君だった…
「あ、ごめん…」
邪魔をしたことを小さな声で詫びる黒田。
「いや…別に謝ることはないけど」
私は黒田の事が気になったが、早く帰りたいのでテスト直しに集中する。
(…わかるわけ無いじゃないの…)
ついに私はシャーペンを机に投げ出す。すると後ろでいきなり声がした。
「あのさ…」
「うわっ!?な…なんだ黒田まだ居たの…」
私は吹き出した冷や汗を拭う。黒田はまた謝ると私の投げ出したシャーペンを拾いテストに書き込みはじめる。
「ここ…先に計算して、Yを代入するとXが出る…」
黒田はサラサラと問題を解いていく。
「お…おぉ〜!!天才!?」
私は思わず拍手をする。そして黒田を見ると顔を赤くして謙遜した表情で笑う。

…うわ…かっこ…

ぽーっとしかける私は首をブンブン振る。
(いやいやいや!何言ってるんだ私!!)
「黒田!!帰るところ?」
私は直したテストを手に教室を出ようとする黒田を呼び止める。
「そうだけど…?」
「あ、じゃちょっと待ってて!これ出してくるから!お礼になんかおごらせて。それでチャラね」
私は廊下を職員室に向かって猛ダッシュする。
(有名になるはずだわ…男なのにあんな綺麗な顔…)
担任の話を適当にあいづちをうっておいて急いで彼の待っている教室へ急いだ。

「はぁ…ハァ……ごめん!!待った?」
ヤバ!走りすぎた〜息が苦しいよぉ…
「全然待ってないよ!っつか急ぎスギ!大丈夫?」
うぅ…また笑った…ヤッパ格好いい…
「全然平気です!体力には自信あるからね♪じゃあ行こっか!!」
私は黒田の手をとって歩いた。
「何処に行くの?」
「え…」
校門を出たところで質問され、私は考え込む。
「あー(何にも考えてない)…どっか言って、そこ行くから」
私は黒田に任せる。
「え…うーん…」
黒田は考え込む。考える姿がまた様になっている。
「じゃ、ケーキが食べたい」
無邪気な顔で黒田が笑った。意外な返答に私は唖然とする。
「け、ケーキ??」
うれしそうに笑い続ける黒田。だんだん私は笑いが込み上げてきて、ついに吹き出してしまった。
「黒田子供みた〜い」
私は座り込んで笑いまくる。

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