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恋愛日記
恋愛リレー小説 - 青春

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恋愛日記 26

(私も頑張ろう!!)
そう意気込んで自分の席へ向かった。
(でも、付き合ってるって噂があるのか…そんな風に見えたのかな??)
考えている内に黒田が自分の席へ来た。
「…なぁ」
「わぁぁ!!」
「…何だよ…ビックリしたなぁ;」
「ご、御免…」
「ちょっと話あんだ…いい??」
「う、うん…」
黒田が真剣な顔で言うものだから私も少し真剣な顔付きになった。
私と黒田はしずしずと廊下を歩いていく。
「どこ行くのー??」
「んー??真田んとこ」
それを聞いた瞬間私は立ち止まる。しばらく先を歩いて、私がついて来ない事に気付き黒田が振り返る。
「どした??」
振り返った顔はやさしく頬笑んでいる。それがまたなんだか気に食わない。
「…何のよう??」
「いや、俺に聞かれても…」
黒田は困って頬を掻く。
「…何??なんか怒ってるの??」
口をへの字に曲げる私に気付いて黒田は言った。
勿論私は怒っている。この鈍い男に。
(黒田…もしかして真田君と私をくっつけようとしてるの??)
考えれば考えるほど悲しく、噂を聞いて浮かれていた自分に苛立った。
(でもそれ以上にこの黒田の態度はダメだと思う!!!!)
私の口はどんどん『への字』が強調されていく。
一緒に帰ったり、お土産もらったり…。もし真田君の恋を応援しているなら、私に気をもたせるような事をしてほしくなかった。
(…まぁその明るさと優しさに惚れたんだけど)
私は頬をぷぅっと膨らませると、黒田をどん!!と押した。
「真田君のとこ、一人で行くから黒田は教室戻りなよ」
「え??」
ぷりぷりしながら私は歩いていく。
(…)
どんどん歩いていく。
(……)
階段を下りていく。
(………〜ッ何よ!!追い掛けてきなさいよ!!!!)
私は振り返って、キッっと階段の上を睨んだ。
(…黒田の馬鹿…)


「何か用??」
私は真田君を呼ぶと、無愛想に聞いた。
「あれ??純くんは??気を利かせたのかな??」
へらへらしながら真田君は黒田を探した。私は今『黒田』と聞いただけでも腹が立ってくる。
「用は何!?私忙しいんだけど!!」
「あ、すいません。これ」
そう言って差し出したのは映画の試写会のチケットだった。
「純くんの出る奴です。ちなみに明日」
はい、と渡されつい受け取ってしまったが、これってデート??と思うとやはり受け取れない。
「あのさ、これ…」
「明日の夕方からっす。純くんも誘って笑ってやろうと思ったんですけどね。感付かれたかな??」
そう言ってキョロキョロと黒田を探す真似をする。
チケットに視線を落とす私。
(見たいけど…真田君とはいけないよね)
もう一度そう思い、チケットを返そうと手をだすが、チャイムに阻まれた。
「じゃ、明日の放課後先輩のクラスに迎えに行くっす」
「ちょっ…真田く…」
呼び止めようとしたら今度は先生に阻まれた。

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