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恋愛リレー小説 - 青春

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恋愛日記 21

黒田はベンチに座りながら「ん〜!」と伸びをした。
「天気いいねぇ」
秋もだいぶ深まり公園の木々は段々色付いてきていた。でも今日の天気はまるで春のように陽気だった。
「…沖縄はまだあったかいのかな?」
私は何か喋らねば…と話題を振ってみた。
「んー?どうだろうね、実はあんまり興味無かったりして」
悪戯っぽい笑顔で黒田は笑った。
「綾、誕生日いつ?」
「え?何?急に…」
黒田は正面を向いたまま腕を組んで答える。
「なんかさ…真田がそう言うのえらい聞いてくるんだよ。話しついでに教えてもらおうかなぁ〜と」
「あ……真田くんね」
彼は本気なのだろうか…答えていいものか私は考え込む。
「何?誕生日忘れたの?」
黒田がぷはっ☆と吹き出した。
「違っ…!もーいくら数字に弱いからって…忘れるわけ無いでしょ!!12月31日☆大晦日の夜!!…ちょっとすごくない?」
私は黒田を覗き込むように笑った。
「まじ!?偶然☆俺一日違いの1月1日〜元旦♪俺もすごくない!?」
私と黒田は目が合うと二人で声を上げて笑った。
「正月だからさー誕生日はケーキじゃなくてモチなんだよ…小さい時すごく親に文句言ったね」
「私も!!誕生日は年越しソバだよ」
「似てるねぇ〜★」
そう黒田が言ったあと、私は目を見開いて驚いた。さっき見たカップルは理彩と彰だったのだ。二人はベンチに座って話しをしている。
(どうしよう…)
私はとっさに黒田の腕をつかみベンチの後ろに隠れた。茂みとベンチで多分二人からは見えないはず…
(てか…何も隠れなくてもよかったかも)
二人が神妙な顔で話しているからつい隠れてしまった。私はベンチの隙間から理彩と彰をチェックする。
「…あの…綾?」
耳元で黒田の声がする。私は振り返ると固まる。振り返った瞬間に見えたのは冷や汗を流し苦笑いする黒田のドアップ。私に腕を引っ張られたため制服が乱れ姿勢を崩し、尚且つ私が腕を離していないものだからかなり密着していた。
「…え…え!えぇっ!!」
私は声にならない声で驚き、一瞬で腕から手を離し後退りする。顔は見る見るうちに紅潮していく。
「ごごごごごごめん!!あ…私…」
目をぐるぐる回しながらなんとか謝る。それを見て黒田はぷ☆と吹き出した。
「くく…よく分かんねぇけど…綾おもしろ☆」
どうやらあたふた目を回す私がツボに入ったらしい。腹を抱えて涙を目に浮かべて笑いだした。
「そ…そんなわらわなくても…」
私が罰の悪そうな顔をすると黒田が謝ってきた。
「で?どした?」
「いや…友達カップルがあそこに…で、何となく」
私はベンチの隙間から指差した。

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