恋愛日記 19
私はチラリと彰を見て目を逸らした。
(…何で妹のことで一生懸命悩むのよ)
なんか…淋しいよ…心の中でつぶやいた言葉はモチロン彰には聞こえない。
しばらく歩いていて、私が黙っていることに気付いた彰。
「あ…ごめん。遥美の話ばっか嫌だよね?」
申し訳なさそうに頬をかいた。
「…別にいいよ…」
(そんな顔には見えないけど…)
明らかに不機嫌そうな顔をする私を彰は困ったように見ている。
「本当に大丈夫だって!妹思いな所も含めて彰だし…わかってるから…」
私…心が狭いのかな?
何だか段々落ち込んでくる。
「もし私が悪い男に騙されそうになったら…今みたいに心配してくれる?」
私はそっともたれるように腕を組んだ。すると彰は立ち止まって私が組んだ腕を外し、肩を掴んだ。
「心配しない!!」
「え!?」
「そんなこと絶対無いって信じてるから…。理彩は俺一筋でしょ?」
やわらかい笑顔が私を見ていた。顔が熱を帯びていく。
「んも〜!自惚(うぬぼ)れてんだから!!」
うれしくて自然と笑みがこぼれる。
「…俺んち、来る?」
真剣な顔になった彰が真剣に誘ってきた。
(え?もしかして…)
はしたなくもある種の期待が生まれる。
「う…うん。行きたい」
私は彰の手を握りしめ、真剣な目を見つめながら言った。
「よかったぁじゃあ行こっか★」
真剣な顔が優しい顔に変わって、私の手を握りながら歩いた。
私はいつのまにか笑顔になって、彰が繋いでくれた手を握りしめて彰について行った。
(もしかして親居ない☆とかの展開こないかなぁ)
「ただいま…!?」
「!?」
彰のうちについた私はトイレを借りに一階に降りてきていた。用を足してトイレから出ると『お泊り』と聞かされていた妹・遥美がいた。
「……不法侵入ですよ」
しばらくのガンの飛ばし合いの後、先に仏頂面で玄関に立ち尽くす遥美がしゃべった。
「彰に呼ばれてきたんです!」
私と遥美の間に火花が飛び散る。
「大体あんた今日彼氏んちに泊まるんでしょ!?何で居るのよ!?」
今まで力強くにらみ返していた遥美が動揺する。
「…ほっといてください!」
遥美はスタスタ台所へ向かう。すれ違いざま遥美の顔が赤いのに私気付いた。
ピーン☆ときた私は台所でお茶を注ぐ遥美の背後に話し掛ける。
「…もしかして、恐くて帰ってきたの?」
私の言葉に遥美の肩がピクリと動く。
私はニタァ〜と笑うとススス…と遥美に近づきさらに笑った。
「マセてると思ってたけど…純情じゃない♪初体験怖がるなんて〜」
私は勝ち誇ったように笑った。当然遥美は怒りだした。
「う、うるさいなぁ!キスとかはちゃんとしてるもん!!どうせあんたはお兄ちゃんとした事無いでしょ!!」図星を突かれ私はひるむ。