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恋愛日記
恋愛リレー小説 - 青春

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恋愛日記 16

「理彩〜♪帰ろ!」
放課後になって彰が理彩を迎えにきた。
「彰〜!ちょっと待って!‥…じゃあ彰に映画の事話してみるわ♪」
理彩は急いで帰り支度をして、教室にいる黒田を見つけるとニコニコして私に耳打ちした。
「黒田まだ残ってるんじゃん♪一緒に帰れるか誘ってみたら?じゃあバイバ〜イ」
理彩達の幸せそうな顔を見て、なんか勇気がわいてきた。
(誘って…いいかな?)
二人を見送ったあと、私は一人でぶつぶつ言いながら黒田を誘う言葉を考えた。
「何ブツブツ言ってんの?」
いきなり耳元で声がして振り返ると、超至近距離に黒田の顔が…!!
私は一気に顔が赤くなり、急いで隠すためにうつむく。
「う、うわ…びっくり…さっきまで席に居たくせに、びびるじゃん」
「…見てたんすか〜?綾さんのぞき見は良くないぞ☆もしかしておいらに惚れたのかなぁ?」
「んなっ…!?」
「…ククク…焦る綾、初めて見た。おもしれぇ〜」
黒田は私をからかって笑った。でも私にとっては笑えない冗談である。
「帰るの?途中まで一緒に帰ろ?」
にっこり笑って黒田が誘ってくれた。
何度見ても黒田の笑顔には胸が締め付けられる。
(かっこよすぎ…)
反則のような笑顔に、私は教科書をしまう手が疎かになる。

やっとの事で帰り支度をすると私と黒田は帰路につく。
「もっと早く綾と知り合ってれば良かったなぁ〜」
歩きながら黒田は私を見た。
「えっどして?」
「男友達だとさぁケーキ食いについて来てくれないわけよ。その点綾は女の子だから…いっぱい色んな店行けるじゃん」
「黒田って本当ケーキ好きだね」
私は感心してしまう。
「特にチーズケーキ!昔イトコのお姉さんがよく焼いてくれたんだ☆」
「イトコのお姉さんかぁ…綺麗な人?」
「うん!めっちゃ綺麗な人だよ☆そんで今俺が出てる雑誌の会社で働いてるんだ〜♪その人がすすめてくれたお陰で俺は今モデルできてるってわけ★」
嬉しそうに私の知らない女の人の事を話してる黒田を見ると、ちょっと心が痛んだ。
痛む胸を押さえて黙り込む私に気付き、黒田は覗き込むように話し掛けた。
「…綾さ、うちの中学で一番モテてるよね?」
「え?何それ!?まさかぁ…」
「本当だよ??真田が言ってた☆『全校男子の憧れである坂下先輩と話せて、自慢できる』って…俺感謝されちゃったもん」
そう言って黒田は笑った。私は複雑な気持ちだった。
「話した事もないのに好かれてもねぇ…」
私は困った顔で笑う。笑う私を黒田が見た。
「何?」
「…こんな可愛いからね、憧れちゃうってみんな」
黒田の言葉に顔がボッと赤くなる。
「じょ、冗談やめてよ!」

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