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四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

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四葉のクローバー。 10

「あぁ〜!!」    今言った事を思い出したかのように反応した。今更ながらどうしてコイツはいつもこうなんだろうか。         「んで、姫って何なんだよ。」        「クラスの女子で決めた事なの!なんか由香ちゃんってお姫様みたいじゃない!」       「はぁ!?」          あいつまた何かしたな。
「えー帰っちゃうの〜」
放課後、いそくさと隣の教室に行くと。
通学カバンを肩に掛けた由香は数人の女子に囲まれていた。
その中に美保はいなかったが、
美保と一番仲の良い三原瑠璃が口を開いた。
「今日ね、由香姫の歓迎会やろうと思ってたんだけど、どうかな?」
「と言ってもカラオケで騒ぐだけなんだけどね!」
「無理?」
「無理だったら、明日とかでもいいんだけど」
本当にみんな由香姫って呼んでるんだな。
と今にも噴出したい気分だったが。
明らかに由香は返事に困っていた。
迷惑がってるわけでもなく、行きたそうな感じでもない。
 俺は、あの由香節
「そんなくだらないお遊びに付き合ってられないわ」
「その少ない脳みそで私が付き合うとでも思ってたの?」
とかが出ることを少しだけ期待していたのだが(ちょっとひどすぎるか)そういうわけにもいかず。
とりあえず声をかけようと、口を開こうとした。
まさに、その瞬間。
「あれれ、敬太くん。どうしたの?」
美保の声が後ろからした。
トイレに行っていたらしく、ピンクのハンカチを片手に持っていた。
「あーもしかして、帰りこそは由香姫と帰ろう!とか思っちゃたりして?」
「……違うって」
「アハハッ」
そのまま美保の視線は自然と由香の周りにいる女子集団へといった。
「あれ? みんなどしたの?」
首を傾げる美保に三原瑠璃は、溜め息をつくと、
「どうしたのじゃなくて、アンタはどこ行ってたのよ!」
耳にキンとするくらいの大声だ。
「んーちょっとね。そういえば、あの話はどうなったの?」
「………?何、あの話って」
一瞬、美保らしい不自然な真があくと。
美保はいつもののんびりとした口調で指を立てると、
「ほらー由香姫の歓迎………」
「だからぁ、今はその話をしていたんだつぅーの!」
「あ、そうなの?」
美保の肩を左右に揺らしていた瑠璃さんは、ガクッと
オーバーリアクションをした。
「あのー」
俺はそのリアクッションにビクッとしながら、存在意識を出すためにも声をかけた。
「なに?」
すこし、関西弁が混じったような声で瑠璃さんは顔をあげた。

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