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四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

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四葉のクローバー。 9

 祐介は黙った後もニヤニヤ、からかうように笑っていた。
 確かに知っている。
まだ 決まったわけじゃないから何とも言えないけど。
「何? 何か用……」
「あのね、聞いて聞いて!」
思わず耳を塞いだ。
美保のこういう時に出す声は昔から苦手だ。
それをすでに何十年も前に知っている美保もしまったと言う顔で
「ゴ、ゴメンね!……大丈夫?」
「……まぁ、大丈夫だけどさ」
「良かったぁ」
「で、何の用?」
「あ、うん。あっ、先に言っておくけど、これは大ニュースだよ」
「ハイハイ」
いつになく美保の目は真剣だ。
 今まで美保がこんな風に俺を呼びつけたるのはしょっちゅうだ。
祐介や他のクラスメイトにはその度にからかわれる。
それをとりわけ迷惑に思わない俺は、やっぱりあの由香の件を合わせて思ったのだが、極端に女には弱いのかもしれない。
『ホント、ダメな自分』ってやつかな。
「ちょっと、敬太くん〜聞いてる?」
聞いてなかった俺の前で手を振っていた。
「あ、何?」
「もーすぐ敬太くんって自分の世界に入っちゃうんだから」
それはお互いさまだろ。
「仕方ないな。もう一度言うよ。由香姫がね、なんと!もう10人に告白されたよ」
ん?
「……あのさ、もう一度いいかな?」
「10人に告白されたよ」
「その前!」
「その前? なんと!」
話が進まない。
まぁ、いつものことだけど。
「………お前さ。今、とんでもない呼び方で呼ばなかったか」
「えぇっ!?」
「由香……姫とか言っただろ」

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