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四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

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四葉のクローバー。 41



 グラウンドに行くまでにも俺らみたいに騒ぎを見に行こうとする生徒がたくさんいた。  
「おい早くいこーぜ」
その中の男子二人組が俺らを追い抜いていこうとしていた。 
美保は二人を見てあっと反応すると
「ねぇ?何の騒ぎなの?」 
美保は二人を呼び止めた。どうやらクラスメイトらしい。
二人はおぉ、美保ちゃんと軽く挨拶すると。落ち着かない様子で 
「由香ちゃんが、サッカー部のマネージャーになったんだって!」 
「えっ!?」
美保と声が重なった。  
由香がマネージャー?
しかもサッカー部!? 
俺たちは二人を追いかけるかのようにグラウンドまで走った。 
ざわざわしてる周囲。人混みの隙間から何とか目を凝らしているとグラウンドの端に顧問らしき人と一緒に由香はいた。 
それにしてもすごい人だな。
「ひゃあ、これまた賑わってますねー」
「みんな由香目当てなのか......?」 
自分で言ったのに、その言葉にげんなりしてくる。 
由香は顧問と話していた。
まぁ、顧問っていうよりコーチか。
見たことない顔だし。
そいつはまだ二十の半ばくらいの若い男で日本代表にいたらそこそこ人気が出そうな爽やかなルックスだ。
美保はそれには目もくれず
「あ、あれ祐介くんだ」
グラウンドでボールを追いかけている祐介を発見した。 
「ホントだ」
あいつ、由香がマネージャーになったから幽霊部員辞めたな。 
いつもヘラヘラとした印象さえ与える敬太が、汗をタオルで拭きながら動いてる姿は、同じ男から見てもかっこよくみえる。

天は人に何か一つは与えるものなんだな。としみじみ客観的に思っていると、
「あ、由香ちゃんがこっち見たぁ!手振っちゃおっ」
無邪気に手をふる美保。アイドルか!と思わずつっこみたくなった。 
「あ、ふってくれたぁ!」
由香は確かに手をふっていた。 

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