四葉のクローバー。 40
自然反射で少し体がずっこけるのを感じた。
朝の風がやけに冷たく通り過ぎていった。
やっと気がついたか......。
「由香なら、先行ったよ」
「えーなんでぇー?」
腕をなんで、なんで?とガシッとつかんで揺さぶってくる。
「あぁ、なっ......何か部活入ったとか言ってたな!」
「部活!」
美保の目がキラキラ輝きだした。
「ねぇ、ねぇ。どこの部活?」
今度は肩を揺さぶってきた。
なだめるつもりが余計興奮させてしまったようだ。
「さ......さぁ、部活としか言ってなかったし」
「えーっ!そこは聞こうよ......」
美保は急にしょんぼりしてしまった。
俺はいつもながら美保の感情の幅の広さに思わず言葉を失った。
っていうか、今日はやけにいつもより騒がしくないか?
「部活かぁ、そーいえば入ったことないなぁ」
しみじみと語る美保。
ちなみに俺も入ったことない。
「祐介くんは......確かサッカー部だっけ?」
「うん、あれでも」
よく覚えてたな。幽霊部員なのに。
.........って、俺が忘れてただけか?
「そういえば、あの瑠璃さんも何か部活入ってなかったけ?………調理だっけ?」
「うん、調理!よく覚えてたね」
「.........」
結構人のことって覚えてるものなんだな。
今日の校門の前は静かだ。
今日は遅刻間近でないので走らなくていい。
と、校門に入った瞬間だった。
「何か向こう騒がしいねー」
美保が指さしたのはグラウンドの方だ。確かに騒がしい。
「今は確か、サッカー部の朝練だと思うけど」
にしては騒がしすぎだ。
「ねぇ、行ってみようよー」
好奇心丸出しで俺のシャツの裾を引っ張ってくる。
多分、行かないって言っても一人で行くつもり何だろうな。
「うん、気になるし行ってみるか」
「うん、いこういこう」
まぁ、気になると言えば気になるんだよな。