PiPi's World 投稿小説

四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

の最初へ
 35
 37
の最後へ

四葉のクローバー。 37


「どこに出すのさ?……手紙」
「ちょっとした……知り合いよ」
外は寒い。コートというには大げさな上着を羽織って、
外に出たものの、さっきより時間が遅いだけあって、
寒さは増していた。
白いコートを着込んだ由香は寒さには動じてる仕草を
一瞬たりも見せない。
寒くないのか?それとも演技なのか?
あれこれ考えた末、目に入ったのは。
薄ピンクの手紙。大事そうに両手で持っている。
昔、美保が出すわけでもないのに、可愛いレターセット
を集めていたのをフトッ思い出した。

「ふーん。知り合いね」



そう言われると、これ以上何も聞けない。
「……気になる?」

由香はひらりと体をこっちに向け、そういった。
「教えてほしい?」
俺は首を振った。

「………ノリ悪いわね」
ため息をつく由香。
最初から教える気なんかあるわけない。 
「それより、まだつかないの?ホント遠いのね」
まだ目的地まで半分もきていない。家を出て五分はたつだろうか。
この時間帯は人通りが少ない。まだ誰ともすれ違っていない。 


俺は由香に聞きたいことがあった。
歩く速度を急に落とした。
由香も同じように足を止めた。
「……どうかしたの?」
「ちょっと、聞きたいことあるんだけどさ、いい?」
「………何?」
由香の大きな目が鋭く光った………気がした。 

SNSでこの小説を紹介

青春の他のリレー小説

こちらから小説を探す