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四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

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四葉のクローバー。 33



「あー今日も色々あったな」

そういえば、俺倒れたんだっけ?
すっかり忘れてたな……。
窓から、外の街並みを見ながら、肩のストレッチをしてみる。
すっかり、気分は良好……かな。

ここ2、3日は濃い一日が続いている。
それに、時間がたつのがやけに遅く感じる。
時計の針は、いつもと同じペースで時間を刻んでるはず
だけど。
何でだろうな。

原因は、すぐに彼女に行き着く。
その彼女、由香と家に入る直前だった。

「良かったわね」
美保の姿が見えなくなると、由香が呟くように喋った。
ねぎらいの言葉のようには聞こえない。
前から、決まっていたようなセリフみたいに聞こえた。
「…………?」
向きなおった時には、由香はドアを開けようとしていた。


今、彼女に聞かないと、一生聞けない気がした。
「ど、どういう意味? 今の言葉は……」
とっさに出た言葉だったが、
「………………」
ピタッと由香の行動はストップされた。
ドアノブに手を乗せたまま、顔だけをこっちを向いた。
「意味はないけど、それが何か?」
「………………」
言い返す言葉が見つからない。
ぼうぜんと由香の顔を見つめる。
しかし、視線は逸らされ、
カチャッと鍵のかかってないドアが開いた。
由香は、足を踏み出す前にこっちを見た。

「……外、寒いから風邪ひくわよ」
今度は心が入った言葉に聞こえて、
寒さを感じる中でも心は何かジワッと
くるものを感じた。
「……うん」
由香のただいま戻りましたという声と共に、
母のおかえりなさいが聞こえた。
「ただいま」
「あら、敬太も一緒だったの」



母の横には、スリッパを履いた由香が立っている。
「それにしては、遅かったわね」
これは、俺に向けられてる言葉らしい。

「もし、由香ちゃんに変なことしたらこの家から
叩き出すからね」
あの母の脅すような声が頭に浮かんだ。

何か変な風に勘違いされたら困るな……。
「一緒に美保の家、行ってたんだよ」
下駄箱に置いてある部屋履き用の靴に履き替える。
「あーそうだったの、美保ちゃん元気だった?」
「うん、明日は来れるみたいなこと言ってた」

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