四葉のクローバー。 29
「あ、そうなんだ………って、ええっ?太った?」
俺にはやつれたようにしか見えないんだけど。
もう一度、美保を見るが、印象はさっきと同じだ。
美保は、いじらしい乙女のような表情を見せる。
「うん、そう」
「で、でも。俺にはやつ……痩せたようにし
か見えないけど」
「そう?」
自分じゃそんなのわからないと言い、落ち着かない様子でクローゼットの鏡で自分の姿を確認していた。
良かった。いつもと同じで。
でも、まだ胸に引っ掛かって、聞きたいことがたくさんある。
「……で、どうだった?」
クロゼットから離れた美保に声をかけるとうかない顔をしていた。
「?」
「……そんなに私、やつれて見える?」
「えっ?」
美保は、顔を段々近付けてくる。追い詰められる!!?
思わずベッドのうえを後退りをする。
「だって、さっき敬太くん……」
「…………!」
美保は悲しい目で俺を一直線で見る。
さっき俺が言いかけたってことを無言で訴えてるらしい。。
……確かにさっき、俺は言いかけた。(慌てて言い直したけど)
でも、何て言い訳すれば…いいんだよ…。
心が痛むって、こういうことをいうんだな。
って、また一つ勉強してる場合じゃない!!
顔には出さないよう、頭を悩ませていると
「…………ノーメイク?」
美保は思い出したようにそう呟いた。
「…………?」
ノーメイクって言ったか?