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四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

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四葉のクローバー。 27

て、いうか、この声は。ま、まさか



「も、モノマネ?」
「はい?」
怪訝な顔をした由香がこっちを見ていた。
「………由香?」
「やっと、起きた」
ふんわりとした優しい声。どうやら夢から俺はいきなり飛び起きたらしい。
由香のあのひくい声で。
に、しても辺りを一通り見渡す。

どうやら、このぼんやりとした頭で考えてみても、この天井ベッド、部屋すべてが俺の部屋ではないようだ。

でも、何か見覚えはあるな……。どこだっけ。

「ここは、美保さんの家の客間」
「……えっ?」
読まれた?

……なわけないか。
布団をはがすと、倒れる前と同じかっこうだった。
「大丈夫?」
「うん、何とか……」
「ん、ちょっと、いい?」

「えっ……」
透き通るように白い手が、おでこに当てられた。
さっきと同じでやっぱり温度が冷たい。
て、いうか近いんだけど!顔が。


どこを見ていいのかわからず、戸惑っている。何でもないことなのに胸が高鳴る。
相手が由香だから?
「んー、熱はないわね」
「だ、だろ」
「でも、顔色はよくないわね」
「……大丈夫だよ」
やけに心配してくれる由香。
心配されると逆に怖い。とは言えねーな。
「最近、よく寝れてなかったからだよ」
「……ふーん」
れまで膝をついて座っていた由香はゆっくり立ち上がった。
「じゃあ、そろそろ美保さん、呼んでくるから」
「あ、うん」
いよいよだ。
話……できるのかな……?
うわ、緊張で手震えてるよ。
別に、美保と話すだけなのに。

状況が違うだけ。
それだけなのに、こんなに心境って変わるんだな。


「敬太くん」
顔を上げると、ドアに手をかけた瞬間なのか、
振り返る格好で、由香はこっちを向いていた。
なんだろう、随分思いつめた顔だ。

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