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四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

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四葉のクローバー。 24


「大丈夫かな、アイツ」
少し頭が痛い。
そういえば、ここ2、3日は、頭が痛い。

原因はわかっている。

俺は、祐介のことは、とりあえず美保のことが
終わるまでは、ソッとしておくことにした。

「誰?アイツって」

後ろからする由香の声。
校門で待ち合わせしていた俺ら、
掃除当番で遅くなった由香が後から来たのだ。



「ゴメンなさい。遅くなって」
「あぁ、大丈夫。じゃあ、早く行こうか」
そう言って先に歩き出した俺。何だか体もだるい。
視界ははっきりしてて、大丈夫だが。

「……どうしたの? もしかして、具合悪いの?」

何を読み取ったのかは知らないが、
由香は何か、俺の変なところに気づいたらしい。

強がりかは、よくわからないが、おれはごまかす。

「いや、別に。ちょっと色々あって頭混乱してるだけ……。
ほら、普段あんまり使わないから」

ごまかすといっても、これは事実かもしれない。
頭は、色々処理しきれずに混乱している。

「……ふふっ、何それ、自分で認めてるの」

いつもより少し優しい笑い方。
視線を彼女からそらす。

「悪いか?」
「別に、それが普通の人間の反応だと思う」
「そうなの?」

また由香に視線を戻す。

「んーよくわからないけど、そうじゃない?」

そんな曖昧な言葉の中にも悲しみを見せる由香。


やっぱり今までに処理しきれないような出来事を体験しているのだろう。

一般庶民の俺には想像できないような。


「……って、何でそんなしんみりとした顔してるの?」


由香が顔をのぞきこんでくる。


「別に」
「……ふーん」


そのまま無言は続いた。時々由香の顔を盗みみるが、視線がすぐに交差し、すぐにそらす。何も読み取れそうにない。

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