四葉のクローバー。 20
目でその指の先を追う。
「あっ」
目が合うと'美保といつも一緒にいる子'はペコッと頭を下げた。
立ち上がって、早足で入り口に歩いて行く。周りは何事か囁きあっている。
「……どうも」
「どうも」
昨日の明るい雰囲気がごっそりとなくなった瑠璃さんが立っていた。
「ちょっと話あるんだけど……いいかな?」
瑠璃さんは後ろの奴らを少し気にした感じで聞いてきた。
「あぁ、あいつらは気にしないでいいよ」
後ろを一喝すると、こっちに向いてた視線は一斉にどこかに散っていく。
「でも、ここでできる話じゃないよね?」
その問掛けに瑠璃さんは今にも泣きそうな顔で首を縦に振った。
「メール?」
瑠璃さんは神妙な顔つきで頷くと、ポケットから携帯をサッと取り出した。
普段使われてない企画室はほこりっぽくて空気が吸いにくい。
「これなんだけど」
話によると昨日の夜中、自分のメールや電話にも反応しなかった美保からメールが突然あったらしい。
「ん?何々?」
ディスプレーを見せてもらうと寂しく一言だけ、文字が記されていた。
当然、意味がわからないので首を傾げる
「人生計画台無しよ?……人生計画?意味がわからん」
「あの……」
遠慮がちに瑠璃さんが話しかけてきた。
俺の顔つきが余程、険しかったに違いない。
「あ、このメール、何か思い当たることでも?」
普段より多く、言葉に優しさを含ませてみた。
瑠璃さんは、これって話していいのかな?
って顔をしている。
この調子だと、昼休み終わってしまいそうだ。
「いや、あの……別に無理に話せというわけ
では、ないので」
「あ、そうですか。ごめんなさい」