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四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

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四葉のクローバー。 17

「……何の話してるんだよ?」
二人は俺の方を見て笑う。
「たいした話じゃないわよね」
「そうそう」
「…………」
後で何が何でも聞き出さないとな。
呑気な祐介に鋭い視線を向け、拳を握り締める。


*校門に着くと由香目当ての男子が群がっていた。何となく予想はできてたものの、遥かにギャバを越えている。
「あれが噂の桧山由香?」
「スゲー可愛くねぇ?」
「てゆーか、アイツ誰?」
「ほら、二年の……」
当然この会話は由香にも聞こえているだろう。しかし、さすが慣れているみたいで颯爽と前を歩いていく。
「おはよう、由香ちゃん」
時折、そんな挨拶にも、
「おはよう」
愛想よく挨拶をしていて、
まさに学園のアイドルという感じだ。
 俺と祐介はそんな由香の一歩後ろを歩いている。

「何だよ、あれ」
校舎に入って、人ごみも消えた頃、
溜まってた心の声が出た。
「アイドルや芸能人じゃねーんだから」
「仕方ないじゃん。ただでさえ転校生っていうだけでも
注目浴びるのに……」
祐介が優雅に下駄箱で上靴に履き替えている由香を
チラッと見る。
「美人で性格もカワイイんだし」
「まぁ……顔はな。あの性格さえ知らなければ……」
「はっ?」
思わず、言葉に出していたことに気づく。
「そーいえばさぁ、敬太、前メールで由香ちゃんのことすごいいいようで言ってたよな。悪女とか二重人格だとか」



そんな大きい声で喋るなよと口を塞ぎたいところだったが、そういえば送ったな。あの日。
祐介の探りメールの返信で色々……
「ふーん。敬太くん、そんなメール送ったのねー」
「わっ、びっくりした」
気がつくと、なぜか後ろに由香がいた。
笑みが氷のように冷たく感じるのは気のせいか?
「フフフ……」
背筋がどんどん冷たくなっていく。
「あれは、その……」
「どうせ、由香ちゃんがあまりにも美人で
可愛いから一人じめしたかったんじゃないの〜?」
フォロになっているようで、まったくなっていない。

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