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四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

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四葉のクローバー。 16

「質問の意味がわからないなぁ、敬太くん」
「……いや、今日のお前変だから」
と言っても、言動以外はとくに変わり映えはしないのだが。
「あ、もしかして」
祐介は急に自分の髪に添えると
「新しいワックス使ったのバレちゃったかぁ?」
なぜか照れてる祐介。
 俺は、ええっ!喉まででかかった驚きを慌てて飲み込んだ。
どうだろ?とかっこっけてる祐介。はっきり言ってさっきからのお前、カッコいい部分一つもないからな。
「いゃ、その……」
言葉に詰まっていると不思議な生き物を見るような目の由香が視覚にちょうど写ったのでここは……
「おぉ、さ…さっきからそれ言おうか迷ってたんだよ」
「そ、そうなの。私も同じよ」
 ええっ!俺は今一番驚いているかもしれない。
「いやぁ、嬉しいこと言ってくれるねー。実はそういうことなんだよ」
また更に照れてる祐介。これは、後で二人きりで話す必要があるようだな。
に、しても。祐介と談笑している由香を気後れ気味に見る。
 まだ会って三日しかたっていないものの本当に読めない。桧山由香という人間が、まったくと言ってもいいくらいに。
猫かぶったり、嫌な女になったり、優しかったり、たまに本音を語ったり。
そんな俺はそんな風に、いつしか彼女を観察してたり。
 今までの相手なら単純に恋の文字が浮かんできてもおかしくはないのだが……。


わからないんだよな。何か本当に罠に引っ掛かる寸前の獲物って感じがして。
「へぇ、本当にそんなことがあったの?」
まだ由香と祐介は談笑。何を話してるのかはしらないが……。
 祐介は水を得た魚というより、ボールを得た犬みたいに生き生きとした顔で、
「そうなんですよ、敬太のやつは本当にそんなひどいことをしたわけで……」
「まぁ、ひどい」 
「でしょう」
ガクッと肩の力が抜けた。俺のはなしかよ。
……ひどいことって何だよ?心当たりがありすぎる。
「おい、祐介」
「あぁ?」

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