PiPi's World 投稿小説

四葉のクローバー。
恋愛リレー小説 - 青春

の最初へ
 13
 15
の最後へ

四葉のクローバー。 15

潔いなぁ……。
 由香はまた急にツンと澄ました顔をした。
「まぁ、そんなことアナタに言ったってしょうがないと思うけど」
「そんな元も子もないこと……」
サッと白い手が俺の口元、ギリギリ前に添えられた。
「この話は終わり。アナタの友達が50メートル先に見えるわよ」
 50メートル先かどうかはわからないが、祐介がなぜかこっちに向かって歩いていた。
「何だ、アイツ。俺たちを迎えに来たのか?」
「手振ってるわよ……犬みたい」
くすっと笑う由香。
しかし、由香が祐介を覚えてたのは意外だ。
「何か企んでないか?」
由香は肩をすくめた。
「別に、可愛いから覚えてただけよ」
可愛いから?余計怪しいんだけど。
「おはよう、祐介くん」
ヒラリと一歩前に出た由香が天使のような笑顔で挨拶をした。
そして、風に舞うように鼻についた甘い果実のような香り。罠か?俺は心の中で苦笑する。
 祐介は、情けないほど顔を赤らめ、初恋をしたばかりの純情な男になっていた。
「おはようございます。今日はいい天気で、何よりですね」
「フフッ。そうね」
何故か警察みたいに敬礼をしている祐介。
うわぁ、つっこみどころ満載なんだけど。
「やぁ、敬太くん」
何だよ、その爽やか気取りの挨拶は……。
「おい、どうしたんだ祐介、何か……頭とか打ったのか?」

SNSでこの小説を紹介

青春の他のリレー小説

こちらから小説を探す