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サプライズな毎日
恋愛リレー小説 - 青春

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サプライズな毎日 3

「相馬君あなた…」
キーンコーンカーンコーン!
予鈴がなると同時にたくさんの人が教室に戻ってきた。
蝶子の言ったことは予鈴と教室に入ってきた人たちの雑音で消されてしまったが、相馬には聞こえたようだ。
『蛍に好意を持ってるんじゃない?』
一瞬固まったように見えたが、いつもの笑顔でかわされてしまった。

〜放課後〜
帰り支度をしていた蛍に担任が、雑務を押しつけていった。実は蛍はクラス副委員長なのである。クラスの仕事なので、否応無しに委員長の相馬とやらざるをえない。
「ねぇ蝶子〜☆一緒に」
「残念だけど、今日は剣道の稽古の日なの☆」
「えー!?そぉんなぁ…」
いつもは、蝶子にも残ってもらい3人でこなしていたが、今日はそうはいかないようだ。
「頑張ってね♪それじゃぁまた明日ね」
あぁやだなぁやだなぁ…。あいつと2人なんて…また嫌味ばっかりなんだろうなぁ…。気が重いなぁ…。
そんなことを考え込んでいると相馬がやってきた。
「早瀬さん。先生なんだって?また仕事?」
「うん。体育祭のプリント」
「そっか。早く片付けてしまおうか。」
そう言うなり蛍の手からプリントを受け取り仕事を始めた。

大体2時間近くたって、あと少しで片付きそうだった。
蛍は黙々と作業をしていると、ふと視線を感じた。
「何?」
「いや。早瀬さんって運動苦手じゃないかと思って」
「あんまり得意ではないわよ。それが!?」
この2時間ちくりちくりと嫌味を言われ続け蛍の我慢も限界に近づいていた。
「お猿さんのようなのに運動苦手なのかぁ…」
と、相馬のつぶやきが聞こえた瞬間何かが切れた。
「あったまきた!!」
そう言い勢い良く立ち上がり相馬のところまで行こうとしたが、勢い余って机にぶつかり倒れそうになった。
転ぶ!と思った瞬間相馬の叫ぶ声が聞こえた。
「早瀬さん!」
ガターン!!
『うわぁやっちゃった…。どうせ相馬に馬鹿にされるんだろうなぁ…』
なんて考えていた蛍は気付いた。痛くない。
「あれ?」
「早瀬さん…」
普段は上から聞こえる声が下から聞こえる。
「えっ?」
蛍が机に突っ込む寸前で相馬がかばってくれたのだった。今蛍は相馬を下敷きにしている。
「怪我は…?」
「うっ…。無いです…」
「…よかった…」

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