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サプライズな毎日
恋愛リレー小説 - 青春

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サプライズな毎日 5

「いつでも良いので返事聞かせてくださいね?」
相馬が憂いを帯びた表情で優しく言う。しかし蛍には今だに理解ができていなかった。
「…っそ」
ブーブーブー
携帯のバイブ音が響く。
はぁ。相馬がため息を一つ吐き胸ポケットから携帯を取出し、しばらく画面を見つめていた。
ピッ。
「はい。あぁ。今行くよ。」
電話をする相馬の表情をみて蛍は驚いた。さっきとは全然違うまるで凍り付いたかのような無表情。いつものうさんくさい笑顔は欠片もなかった。
「…そぉま?…」
一瞬驚いた顔をして蛍を見る相馬。
「…あの…」
蛍は見つめられ居心地が悪くなる。
「早瀬さんが僕の名前呼んでくれたの初めてですね」
そう言いうれしそうに顔を綻ばせる相馬。
相馬の笑顔を見て急に心臓が早くなる。
顔が熱い。
…なんで?なんで?なんで…?

「早瀬さん?」

相馬の手が頬に触れた。
「〜っ!!」
蛍は急に立ち上がり教室から逃げ出した。

「ひどいなぁ…」
一人残された教室で思わず呟いてしまった相馬。
−まぁこれからさーと思い楽しそうにふっと笑みをこぼす。

一方逃げ出してしまった蛍は、屋上まできていた。そしてなぜ自分が逃げたのか考えていた。しかし考えても考えても蛍にはわからなかった。唯一わかったことは、あの時相馬に触れられたことがどうしようもなく恥ずかしかったということだ。
その晩、蛍は眠ることができなかった。
目を瞑っても浮かぶのは相馬の顔ばかり。そしてなぜ!?という答えの無い問いに悩まされてしまったのだった。



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