PiPi's World 投稿小説

私の秘密
官能リレー小説 - 若奥さん

の最初へ
 75
 77
の最後へ

私の秘密 77

秀君が帰って来る前、もう一度NTRサイトを開いていた。配信は殆ど終わっていた。続いているのは牧野さん宅だけ。早番から帰って来た旦那さんを拘束し、言葉で責めながら亀頭をこねくり回している。M体質の男性からとても人気があるらしい。
ページの下部に、お知らせと書いて点滅しているボタンがあった。パスワード入力してクリックすると、文章が…。
『明日正午より、○○ポルノ館にて、痴漢プレイを開催。正面入口は臨時休業として入れないため、裏口からどうぞ。痴漢されたい方、見学希望の方、お待ちしています』
身体の奥が熱くなっていくのを感じた。触られたい、洗濯機では足りない。子宮も直腸も突かれたくて堪らない。

「明日から仕事に行くよ」
悟さんが夕食のお粥を食べ終わったあと、そう言った。
『え、大丈夫?まだフラフラしてるのに』
「うん、でもいつまでも寝てられないよ。動き始めたらいけると思う」
『そう…でも無理はしないでね』
そう言いながら私の心は踊った。明日、痴漢される…。

気付けば涼しい季節だ。昼間は天気が良ければ汗ばむが、朝夕は羽織るものが欲しい。少し薄手の服を着て、何かあれば羽織れるものを。そう考えながらも、脱がされやすい衣装を意識してしまう。パンツよりもやっぱりスカート、上は?ワンピースの方がいいだろうか。胸元まで捲り上げられたら…いや、上はそのままで下半身だけ丸出しにされる方が痴漢達は悦ぶだろうか…。
既に私の中に倫理観はなくなりつつあるようだ。だけど仕方がない。身体が、心も望んでしまっている。
『こんな感じかな…』
Vネックのカットソーに膝上のタイトスカート、黒いストッキング、肌寒くなってもいいようにグレーのロングカーデガンを持っていくことにした。鏡の前で確認し、玄関へ向かう。靴の準備を始めたところで動きが止まる。そして、身体の芯が熱くなっていく。
『ブラ……外してみようかな』
首筋が緊張で汗ばむのがわかる。私はもう一度鏡の前に戻り、紐無しのブラを外してみた。少し広めのV字の襟元はゆとりがある。スレンダーとまではいかないけどもふくよかではない。このまま屈んだらどうなるだろう。
『…』
やはり襟元が開き、大きくはないけど谷間が見える。それに、決して胸が大きい方ではないため、乳首が見えてしまう。見慣れたはずの自分の身体が厭らしい。まるで知らない男の意思が乗り移ったかのように欲情してしまったのが分かる。今日はこれで行こう。
『…どうしよう』
既に欲情した身体は敏感に反応し、両方の乳首がカットソーを持ち上げている。これでは痴女だ。悩んだ挙げ句、少し汗ばむがロングカーデガンを着て行くことにした。ブラを着けて行けばよかったのに。そう気付いたのはバスに乗り込み、窓際の日射しを受けてからだった。
バスに揺られて40分、郊外の駅にやって来た。都心部ではないが駅の裏手が飲み屋街で夜には賑わう場所だ。お酒が入って理性が減った人達が集う場所でもあるため、その更に奥には後ろめたい施設もならんでいる。
私が到着した11時過ぎというのは、むしろこの街では眠っている時間なのかもしれない。後ろめたいというか、いかがわしい店は全てシャッターが閉まっており、まるでゴーストタウンに紛れ込んだようだ。
『あそこかぁ…』
通りの奥、建物の上に霞んだ文字で○○ポルノ館と書かれている。すごく昭和の香りがする。何十年と男達の欲情を掻き立てて来た映画館。その向かい側には同じく昭和の香りが漂う喫茶店があり、そこは開いていた。こんなところにお店を断ててお客さんは来るのだろうか。
12時まではまだ時間がある。裏口が分からないけどあまりウロウロしたい場所ではない。向かい側の喫茶店に入ってコーヒーを飲みながら表の様子を伺おうか…そう考えていると、カラン…と小気味良い音を立てて喫茶店から女性が出てきた。歳は私より少し上くらいだろうか。
『綺麗…』
そう、とても綺麗だった。明るい色のワンピース、黒くて艶のあるストレートなヘア。切れ長で二重瞼の瞳…。
『こんにちは』
その女性は私に気付くとにこやかに挨拶をしてきた。
『あ…こんにちは』
『舞さん…でしたね?』
私を知っているということは、この卑猥な事の関係者だ。こんなに綺麗な女性なのに。
『え、どちらでお会いしたか覚えていなくて…すみません』
その白く美しい顔に思わず萎縮してしまった。
『ほら、弘人さんの除名の時よ。私は仮面で目元を隠していたから』

SNSでこの小説を紹介

若奥さんの他のリレー小説

こちらから小説を探す