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私の秘密
官能リレー小説 - 若奥さん

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私の秘密 62

私は何も知らずに慎一さんに性癖を知られ、組織に弄ばれて来たのだと知った。
「話が逸れましたね。弘人は飲み込みが早くて有望なやつだと思ってたんですが、いつからか目的が旦那の依頼通りに任務を遂行するんじゃなくて、奥様方が求めてることを満たしてやってるんだって考えになっていったみたいなんですよね」
それは3度会った中で変わっていった弘人さんの様子を見てわかっていた。しかし、彼の除名に私が呼ばれる理由はいったい…
私の考えていることを察しているかのように慎一さんは話す。
「弘人の除名になぜ自分がって考えてるんでしょ?舞さんだけじゃないんですよ、弘人に嫌な思いをさせられた人はみんな集まります。
ただ除名にしたってね…組織のことをメディアや警察にリークされかねませんから。そんな気持ちすら起こせないくらい、身体に刻み付けてやらないと。舞さん達にもその姿を見てもらおうと思ってね。」
何かとんでもない凄惨な目に合わせようとしていることを、この時初めて知った。人数は知らないが、おそらく規模が大きな組織なのだろう。その組織を強制的に脱退させ、ルールを破った罰として、そして自分達の存在を明るみにさせないため、他のメンバーの見せしめにするため、弘人さんは…。
『私は嫌です。誰にも言いませんから降ろしてください。そんなひどいこと…見たくない』
「別に暴力に訴えるわけではありませんから安心して下さい。それにね…もう到着したんですよ」
『え…えぇ、ここって…』
目の前にそびえ立っていたのは、街灯の少ない通りの中で一際暗さを強調させている廃墟ビルだった。地元の人間はまず立ち寄らない心霊スポットだ。様々な目撃例が地元で飛び交っているにも関わらず、インターネットでは全く検索にかからない、というのがその恐ろしさを倍増させている。
私のひきつった表情に慎一さんは気付いた。
「さすがにここがどこか分かりますか」
『そりゃあそうでしょ…何でこんな…』
「この廃墟が取り壊されないのはね、霊障があるわけでも何でもない。ただ我々がビルの一室を買い取ってるからですよ。」
『え…』
後ろに重心をかけ、必死に嫌がる私の腕を掴んでグイグイと中に入りながら慎一さんは教えてくれた。
このビルはもともと、組織のリーダー各の知り合いが経営していた会社のものだったらしい。経営者の引退と不況の煽りを受けて会社を倒産させた時、リーダー各の男性が格安の値段で譲り受け、完全防音にしたのだそうだ。
「窓ガラスがあったところはすべて遮光してるんですよ。電気も通ってるし、エアコン完備だから季節を問わず利用できるんです」
それを聞いて私は何と答えたらよいのやら…。
中に入り階段を上ると、一見ただの壁しかないところにカードキーを通せるようになっていた。慎一さんが鍵をスッと通すと、普通の壁がほとんど音も立てずに開いた。自動ドアというには狭い隙間だが、大柄な男性でも身体を横にすれば入れる程の幅だけ開いたのだ。中は明るく、本当にオフィスと同じ広さで、中には大勢の男女がいた。
男女合わせて20人は少なくともいただろうと思う。男性の殆どは顔を見せていたが、女性は殆どが顔をマスクで隠していた。男性達はいわゆる組織の人間であり、女性達は私と同じ家庭を持ちながら背徳心を楽しんでいる人達なのだろう。マスクをしていても、直美さんや上田さんは分かった。
それにしても騒がしい。全体にざわついているのではなく、一人の男だけが騒いでいる。弘人さんだった。部屋の中央に婦人科用の診察台があり、自分の意思でピクリとも動けないほどギチギチに拘束されていた。全裸で、しかもM字開脚で…。

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