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私の秘密
官能リレー小説 - 若奥さん

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私の秘密 118

声も出ないまま袋男達に羽交い締めにされたところで目が醒めた。恐い夢だった。動悸がして胸苦しい。
「母さん…大丈夫?」
秀君が私の手を握って付き添ってくれていた。見慣れない天井とベッドだが、病院だということが分かった。
主治医の話だと、公園のトイレの前で倒れていた私を、通りかかった人が発見して救急車を呼んでくれたらしい。低体温というものになりかけており、なおかつ過労という診断も下された。
『10日間も入院しなきゃいけないなんて…』
「とにかく無事で良かったよ。ゆっくり身体を休めてね」
過労の原因は間をおかず続けた他人棒との激しいセックスなのに、秀君は私の身を心配してくれている。
『お父さんは?』
「連絡はしたよ。出張中だからすぐには来られないけど。でも、僕が毎日来るから」
秀君が帰り、一人になると私は泣いた。いったいどれだけ家族を犠牲にしたというのか。血が繋がらなくても私の事をとても大事にしてくれる息子を、こんなにまで欺いて。家事も放置して男達と性に狂乱して。どんなに言葉で自分を戒めても、心も身体も男達を受け入れ、悦び、求めたのだ。個室だから泣いても誰にも見られないのが良かった。時々検温や点滴の交換に看護師が訪問する以外は1人だ。
どんなに悔やんでも身体は正直だ。懺悔の気持ちで胸がいっぱいになっても、積もり積もった疲労は私の思考を奪う。昼も夜も、面会者がいない間は昏々と眠り続けた。
入院して3日目に悟さんは顔を出してくれた。秀君は毎日学校が終わるとお見舞いに来てくれている。
『無理して毎日来てくれなくてもいいのよ。お友達とも遊びたいでしょ?』
「母さんが具合悪いのに遊んでなんていられないでしょ。僕が来たら迷惑?」
決してそういうわけじゃない。私を心配してくれているのだから嬉しい。だけど困った。秀君は面会中、ずっと私の手を握ってくれている。ずっとだ。恥ずかしい気持ちもあるし、むず痒い。そう、血が繋がっていない若い肉体に触られているだけで、身体がムズムズと催してくるのだ。日が経つにつれ、体力が回復するにつれ、快楽に依存しようと身体が熱くなるのだ。
『ううん、迷惑じゃないよ。嬉しい』
じっと見つめられるうちに芯が湿りを帯びて熱くなっていく。これ以上は本当に困る。
『少し寝るね』
どこか後ろ髪を引かれるような気持ちで秀君の手をほどき、無理矢理目を閉じて眠りにつこうとした。
しかし一度火照った身体はそう簡単に治まるものではない。秀君が帰ってからあと、暫く悶々としながら睡魔を待ちわびた。
6日もすると怠さが抜け、身体が軽くなってきた。ベッドから離れて病院内を散歩し、売店にも行くようになった。要するに暇でたまらないのだ。特に興味があるわけではなかったのに、暇潰しの為だけに売店でレディコミを買って部屋に戻った。
読まなければよかった…と後悔したが遅かった。こんなの殆どエロ本だ。描写が露骨すぎる。再び悶々とし始めた時、若い看護師が検温にやって来た。
『今日もシャワーは浴びられませんか?まだお体が辛いですか?』
可愛らしい、少女と言っても遜色のないあどけなさを見せる看護師が体温計を手に取って言った。
『そろそろお風呂にも入りたいけど、点滴してるから煩わしくて…』
何気ない会話をしながら、何となく確信を持った。この少女は未来ちゃんに似ている。きっと女性との身体の関係に興味があるはずだ、と。
胸の名札で、彼女の名前が花音だと分かった。今風な、可愛い彼女にぴったりの名前だ。
『花音ちゃん、もし時間があったら、身体を拭いてくれない?点滴があるとなかなか上手に拭けなくて…』
1習慣近くセックスしなかったのは久し振りだ。そのせいではないかもしれないが花音ちゃんと絡みたくて仕方がない。淫猥な行為の離脱症状が出そうだ。家族を裏切る罪悪感が沸き起こるが、理性が効いてくれない。
『……いいですよ』
花音ちゃんも心なしか上気した表情で言った。蜘蛛の糸に引っ掛かった蝶を見ている気分だ。

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