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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 82

新たに3人の屍(死んではいないが)を生み出したルシフェルは、血反吐を吐く薙たちに冷酷な評価を下した。

「バカか、おまえら。
 長所に頼りすぎて、話にもならん。
 特に乱。おまえは最悪だ。
 ただでさえ消耗の激しい連打をあんな広範囲に行うなぞ、愚の骨頂!
 あんな雑な攻撃ではあっさり反撃を食らって当然。
 火だるまになって後悔してろ」

さらにニクス、薙にも厳しい評価を下す彼女の姿は、天使と呼ぶにはあまりにかけ離れた姿である。
と言うか、本人たちがその注意をちゃんと聞けてるのか、その時点ですでに怪しいのだが。
ラフィ(エトリエル)はその姿に苦笑しつつ、ルシフェルに声をかける。

「相変わらず容赦がないですね、『先輩』!
 せっかくかくまってくれている連中を全員ジャンクにするつもりですか?」
「・・・エトリエル、か?いつか来るものとは思っていたが・・・。
 存外早かったな」
「まぁ、こちらにもこちらの事情がありましてね」
「ふっ・・・。それにしてもここまでやってくるとは、ここの連中はそろいも揃ってマヌケぞろいか?
 それともお前の腕に磨きがかかったか?
 なぁ、エトリアルよ」
「そりゃ自分の腕が上がったからに決まってるでしょ?
 先輩の稽古を受けて、まだ原型を保ってる連中なんてウチら以外いなかったんですから。
 とりあえず、場所を変えましょう。
 もうあらかた先輩に壊されたみたいだし、ここじゃ落ち着いて話できませんからね」
「ふん。しばらく相手しなかった間に目が曇ったものだな」
「・・・え?」
「何でもない。行くぞ」
「は、はいっ!?」

そう言ってその場を後にするルシフェルに、あわててついていくラフィ(エトリアル)。
おそらくこれから彼女たちは、これからのことを話し合うのだろう。
それがアパレント・アトムを裏切ることなのか、それともヒーロー協会を裏切ることになるのかはまだわからない。
・・・が。ルシフェルが今すぐ裏切るつもりでないことだけは確かであった。
それはなぜか?
彼女は壊されたと断じたラフィ(エトリアル)に、まだ意識のある連中がいたことを教えなかったからである。

「ふぅふぅ・・・。ご、ご無事ですか、夢様!?」
「う・・・くっ!え、ええ。何とか・・・ね」

まず瓦礫の中から起き上がったのは刀。
日夜必殺技開発のために厳しい鍛錬を繰り返していたおかげなのか、かろうじて気絶せずに済んだらしい。
そしてそこから少し離れたところで大の字になって倒れているのは夢。
組織の医療部ですら解析不能とされた、歩くブラックボックスである彼女も、何とか意識をつなぎとめることに成功していた。

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