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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 1

三方町。
それはかつて、犯罪らしい犯罪すら起こらなかった平和な町。
しかしそんなのどかな町の平和は、ある日突然終わりを告げた。
その町に住んでいた青年、乱宮啓太と彼に拾われた謎の怪人、夢の2人によって。
彼らは町に潜伏していた悪の組織レフトファンを壊滅させ、新しい組織アパレント・アトムを立ち上げた。
そしてそれに触発されて襲ってきた武闘派組織、ザウルスペクターたち悪の組織を撃退した。
詳しくは第1部から第2部までを読んでもらいたい。
しかしその代償はあまりにも大きかった。
彼らは正義の味方率いるヒーロー協会に目をつけられ、多大な損害をこうむることとなった。
組織として大きなダメージを受けた彼らは、傷を癒すためにいずこかへと姿を消した。
そしてそれから季節がめぐり。
場所は三方町の西、海岸方面のとある無人島。
ここで姿を消していたはずのアパレント・アトムが、より大きな組織となって姿を現していた。

――――

ドンチャン、ドンチャン♪

「あはははっ・・・!」
「それそれ、踊れ踊れーっ♪」
「お〜い、酒がないぞ〜?」
「ガツガツ、モグモグ、ムシャムシャ・・・」
「追加の料理、持って来ましたよ〜♪」

島の一角に集まったアパレント・アトムの面々は、テーブルに並べられた酒や料理をつまみながら、実に楽しそうに過ごしていた。
もうすでに盛り上がりは最高潮に達しつつあるらしく、出来上がった怪人たちがテーブルの上でダンスや歌やらストリップやらして暴走を始めている。

「ったく、恥ずかしいヤツらだなー」
「それは仕方ありませんよ、啓太様。
 今日は記念すべき、三方町統一記念パーティなのですから」

夢は優しく微笑みながら、そう言って啓太のグラスにオレンジジュース(酒は嫌いなので飲まない)を注いだ。
そう。ザウルスペクターとの戦いの後。
地下に潜ったアパレント・アトムは急速に勢力を伸ばし続け、ついに三方町の裏の支配者となることができたのであった。
何しろあの戦いで、多くの悪の組織が壊滅、または大打撃を受けるという大惨事に見舞われていた。
アパレント・アトム(正確には夢とクロック)はそれを見逃さず、巧みな交渉(策謀)で次々と組織を吸収した。
さらに外の勢力を取り込む一方で、基地の半分近くを使用不能にしていた生命の泉(レーベンスホルン)を回収、基地本来の機能を取り戻すと同時に組織内部の強化にも努めた。
今こうして啓太が三方町の影の支配者となったのは、当然の結果と言えた。
しかし当の啓太はと言うと、夢の言葉になぜか苦笑を浮かべている。
いや、むしろ喜んでないようだが・・・。
平和に暮らすための力と場所を手に入れたというのに、一体何が不満なのであろうか?

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