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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 81

過去を思い出して『・・・なんで、自分生きてるんだろー・・・』とか、思考がダークになるが、いちいち落ち込んでたらキリがない。
ラフィ(エトリアル)はすぐに思考を切り替えて前へと進む。
そして目的地である第5トレーニングルームに到達すると。

ドッゴオオォォォン・・・ッ!

激しい爆音と共に身の毛もよだつ悲鳴と雄叫びが彼女を出迎えた。
何も知らないものが来たら、殺人の瞬間に居合わせたか、地獄か戦場に迷い込んだかと錯覚することだろう。
もっともラフィ(エトリアル)にとってはそよ風みたいなもの。
彼女は顔色1つ変えることなく、ドアをくぐった。
するとそこでは。

「はあああぁぁぁ・・・ッ!」
「オッラアアァァァッ!!」
「死ぃねえええぇぇぇッ!?」

乱とニクス、薙がルシフェルに連続攻撃を仕掛けているところであった。
上空に飛び上がった乱がパンチの嵐で動きを封じ。
ニクスの超高速攻撃で確実な一撃を加える。
これだけでも完璧なコンビネーションだが、よけられることを考慮して、攻撃力のある薙までもが参加している。
まさに完璧。素人目から見ても穴のない完璧な布陣だ。
さしもルシフェルもここまでか―――?
・・・そんなことがあるわけなかった。

ルシフェルはちょっとだけ身体をずらしながら、乱に向けてインペリアルクロスを1発放つ。
高速で飛んでくる炎の十字架は、パンチの乱射で動けない乱にあっさりと命中した。

「グオガアアアァァァッ!?」

色気の欠片もない悲鳴を上げて、火だるまになって吹っ飛ぶ乱。
しかしそこにすかさず突撃してくるのはニクス。
だが彼女の攻撃はあっさりとかわされ、それどころか逆に足を引っ掛けられる。

「っあ!?」

やられた。そう思ったときにはもう遅い。
高速で突っ込んできていたニクスの身体は宙を舞い。
そのまま車のタイヤのように地面を転がってラフィ(エトリアル)のすぐ脇の壁に激突した。

「はぎゅッ!?」
「危なッ!?」

さすがのラフィ(エトリアル)が驚きの声を上げる中。
薙が2人の屍を乗り越えて渾身の一撃を加える。
今の彼女はリミッターはつけていない。
かするだけでも命取りの、危険な一撃がルシフェルを襲う。
だがそんな一撃を前にしてもルシフェルは逃げない。
それどころか、真っ正面から受けてたった。
なんと薙に向かって殴りかかったのである。
そして腕と腕が交差し・・・およそ拳で殴ったとは思えない、鈍い音が鳴り響いた。

ド、ゴンッ・・・!

「・・・・・・」
「・・・ぐ、べッ・・・!?」

色気のない声の直後。
薙は口から血と吐しゃ物の入り混じった液体を吐き出して、倒れ伏す。
あの様子では自分が打ち負けた理由すら理解できなかっただろう。

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