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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 79

さて、エトリアルの目的は表向きはアパレント・アトムの基地を探る事ではある。
本来の目的がルシフェルに接触する事である以上、ヒーロー協会には嘘の情報を流す事をエトリアルは初めから決めていた。
無論、時期が来ればプロトアドヴァンスヒーロー全て組織から抜けて、ルシフェルの元に集う事になっている。
ルシフェルとは連絡が取れない以上こっちで勝手に決めてしまった事だが、事後承諾で許してもらおうという事になった。

「ここのパソコンを使って、資料をまとめてください」
「ありがとうございます」

タコの女怪人に案内され、さっそくパソコンに向かうラフィ(エトリアル)。
まずはルシフェルの居場所を知りたい彼女の前に立ち塞がるのは、IDとパスワードの壁。
ここに入るときに使ったIDとパスワードは使えない。
あれは外で活動している怪人のものだ。
もしここで使えば、そこから自分の正体がバレる恐れがある。
ならばどうするのか?
その答えは簡単だ。

カタッ、カタカタカタ・・・!

周囲に気を配りながら、猛烈な勢いでキーボードを叩き始めるラフィ(エトリアル)。
彼女は今、この基地のデータベースにハッキングを仕掛けている。
外から不正なアクセスする輩に対してガードしていることは当たり前だが、内側からの不正アクセスまで気を使っているところは少ない。
IDやパスワードを持ってるのに、不正アクセスしようなんてヤツはいないからだ。
アパレントのところもそうらしく、あっさりとデータベースへ侵入できた。
そしてそこからルシフェルに関連するデータを、片っ端からチェックしていく。

(うっわ〜・・・。これは、予想以上にやっかいなことに・・・)

それを見て、ラフィ(エトリアル)は思わず眉をひそめた。
そこにはルシフェルを始め、アドヴァンスドヒーローの情報がものすごい勢いで調べられていたのだ。
その存在を知られないように秘匿に秘匿を重ねていたと言うのに、すでに半数近い仲間の名前が明らかとなっている。

(あ〜あ〜、私の名前までバレちゃってるよ・・・。
 うわ、ルシフェルさんてば、必殺技までぶちかましてるし!?
 もうちょっと気を使って行動してくださいよ、ホントにも〜!)

ルシフェルが仲間を敵に売るような人ではないことはわかっている。
自分の情報を公開しているのも、それだけの自信があるからだ。
だがいずれはヒーロー協会から逃亡するラフィ(エトリアル)としては、あまりにあけすけなルシフェルの行動に頭が痛くなる思いだった。

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