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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 78


運転席内に不審者・不審物がないことを確認しつつ、警備員が仲間を通す。
トラックの運転手はゲートをくぐったところで、緊張のためか『ふぅ』と重いため息をついた。

「・・・まずは第1関門クリア、ですねー。
 にしてもこのハズカシーパスワード、どうにかならなかったんですかねー。
 これから先の検査を考えると気が重いですよー」

それはパスワード考案者のセンスのなさを嘆いているのか、それとも別の意味があるのか。
妙に気になる運転手のセリフであった。
それからという物、危険物持込検査やら金属探知検査やらとあったがかねがね異常無しのまま、その運転手は物品倉庫まで潜り込んだ。
荷物の積み下ろしを組織の怪人に任せて、花摘み(女性の小便の隠語)に行ってくると告げてトイレへと駆け込む。
トイレのドアに鍵をかけると運転手の制服を脱ぎ、見事な股体が露になる。
気にした風も表さずに茶色の瞳を閉じて意識を集中させる。
セミロングの赤毛が一気に抜け落ちてショートになり、髪の色素も鮮やかに虹色へと変化する。
閉じていた眼が開かれると茶色ではなく髪と同じ虹色の色彩になっていた。
大きかった胸も二次成長を迎えたばかりの膨らみかけぐらい大きさとなっていた。
直接届けるように言われたと誤魔化した先に危険物が無い事を確認してもらった物品の袋を開ける。
中から出てきたのはゴスロリの服。それを謎の人物は着込む。
さて、アパレント・アトムに侵入したこの人物はプロトアドヴァンスヒーローのエトリアルである。
色素操作、髪の毛の長さを自在に操作する事により全く違う人物として組織へ潜入する事を容易くしている。
いわば、アドヴァンストヒーローの中でも斥候の役割をしている。

「すみませーん。どこか空いている席有りませんか?情報部からの伝達でアドヴァンストヒーローに関する資料を纏めるように言われまして〜」

もちろん、これはエトリアルの嘘である。

「情報部から?それに見たこと無いな、おまえは?誰だ?」

見かねた怪人がエトリアルをいぶかしげに見る。

「はい、情報部新人のラフィです」
「そうか、わかった。だったら、後ろの方が空いているからそこを使わせてもらってやれ。そこのおまえ、悪いがこいつに空いているパソコンに誘導してやれ」

何の疑いも無く、その怪人は別の蛸の怪人を呼んでエトリアル(ラフィ)を案内した。

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