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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 70

その答えに鬼瓦警部は少しだけ安心した。
そして彼は切り出す。山岡を呼び出した、その目的を。

「・・・頼みがある。
 もし・・・あのアドヴァンスド・ヒーローが暴走し、大塔寺がそれを放置するようなことがあれば。
 連中に・・・大塔寺に引導を渡してほしい」

ピシっ・・・。

その言葉に鬼瓦たちを包む空気の温度が、一瞬下がったような気がした。
「断る。答えは辞める時にもいっただろ。理不尽な命令に従うくらいなら風来坊の方がマシだって。あの大戦で殺す事に嫌気が差しちまったんだよ、俺は」
溜息を吐きながら頭をバリバリ掻いて山岡は答える。
「わかっている。だから、そこを曲げて頼みたい!!さっきも言った通り慢心したヒーローが溢れかえっているんだ。
このままだとヒーロー協会は名ばかりの正義に成り下がってしまう!!この通りだ!!頼む!!」
土下座をしそうな勢いで鬼瓦は頭を下げる。
しかし山岡のほうは氷のように冷静な態度で、そっけなく答えた。

「やめろ。そんなマネしたところで、オレがなびくとでも思ってるのか?
 酒がマズくなるからさっさとやめろ」
「・・・〜〜〜っ。わ、わかった・・・」

その言葉に鬼瓦警部はしぶしぶ頭を上げた。
これ以上ダダをこねるようなら、山岡は自分との縁を切ってこの場を後にするだろう。
そう思っての行動だった。

「オレはあくまで風来坊。
 オレは誰にも従わず、自分の考えに従って動く。
 おまえも『アイツ』の跡を継ごうってんなら、自分で何とかするんだな―――」

その言葉に鬼瓦警部はぐうの音も出なかった。

――――

一方その頃。ファミレス『デリシャス』では。
啓太たちがおいしい食事に舌鼓を打っていた。

「わー♪ここの料理、ホントにおいしー♪」
「ファミリーレストランで食事するのは初めてなんですが・・・。
 これはおいしいですね」
「うそっ!?マリアってばファミレスでごはん食べたことないの!?」
「蒼、みどり。おまえら、そのカッコでホントによかったのか?
 それじゃメシもろくに食えないだろ?」
「ご安心を。1食2食抜いたところで問題ありません」
「そーそー♪それにこう見えて、ちゃーんと蒼ちゃんにも食べさせてるから、大丈夫だよー♪」
「・・・・・・(おいしい食事にご満悦)」

騒がしくも楽しい食事。
それはとても啓太が何かの目的を持ってここに来たとは思えない、平和な光景だった。

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