PiPi's World 投稿小説

世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 62
 64
の最後へ

世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 64

「夢……」

一条の光明を見出した啓太は夢を抱きしめる彼女の名前を呼ぶ。
「ありがとう、お前のお陰で少し道が開けた。」
啓太は夢を抱きしめて、気絶してる彼女礼を言う。
それはまるで愛しい恋人への感謝の言葉にも思えた。
一方、ルシフェルはというと。
「ふう〜良いシャワーだった。
アパレントの施設の設備は非常に快適だ。フルーツ牛乳は美味いし天国だ。」
シャワーを浴び終えて冷たいフルーツ牛乳を飲んでリラックスしていた。
「こんな所で、あいつ(啓太)は怪人共に甘やかされて暮らしてたから、軟弱になったんだな…なんか非常にムカついて来た。」


正確には元々荒事に向かない一般人を、夢が無理やり引きずりこんだのだから軟弱に見えるのだが。
さすがに啓太の経歴を知らないルシフェルが知るよしもない。
そんなとき。ルシフェルの顔が軽い嫉妬の表情から、急に真面目なものへと変化する。

「・・・確かにここは居心地がいい。居心地がよすぎる。
 悪の組織でこれほど福利厚生が整ったとこなんてまずないだろうな」

次世代の主力としてその存在を隠されていたルシフェルであるが、凶悪犯罪の巣窟である悪の組織が、こんなに居心地いいのはここくらいであろうことはルシフェルだってすぐに理解できる。
それだけにいろいろ危ういものを感じずにはいられない。

(・・・しかしこのままの状態では私の命が危ないのも事実だ。
 変な風に暴走しないよう、しっかりと目を光らせておかんと、な)

しかし彼女は気づいていなかった。
この組織を支える2つの支柱のうち、夢は自分の訓練でっかりっきりだということを。
そして残された支柱であるクロックという怪人は、ルシフェルがもっとも危険視する要素を持っているということを・・・。

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す