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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 55

しかしルシフェルはそんな視線をものもせずに歩を進め、啓太の救出現場にやってくる。

「こ、こら!?救出作業の邪魔を・・・」
「どけ。おまえらのご主人様を掘り出してやる」

怪人たちは救出の邪魔をするルシフェルを追い払おうとするも、威圧感たっぷりの視線に返り討ち。
ルシフェルは夢たちが騒ぎ出さないうちに、啓太とその上の瓦礫にそれぞれ手を伸ばした。

「よく覚えておきな。
 これが、ヒーロー協会、アドヴァンスド・ヒーローの実力さ・・・!」

その次の瞬間、瓦礫に伸びていた手から十字の炎が吹き上がり、啓太の上にあった瓦礫をきれいに吹っ飛ばした。
全部とは言えないまでも、また瓦礫の下敷きになるまで数秒は稼げるくらいの空間ができる。
そこでルシフェルはすばやく啓太の胸ぐらをつかみ、瓦礫から引っ張り出す。
その時には思い出したように崩れた瓦礫が、再び啓太を生き埋めにしようと迫っている。
だがルシフェルはあわてない。
瓦礫に向けていた手から、今度は炎の弾丸が1発放たれた。
炎の弾丸は瓦礫に当たると同時に十字に展開して崩落までのわずかな時間を稼ぐ。
1発目が展開されている間にさらに2〜3発発射し、そのスキに啓太をあっさりと救出した。
あまりにも強引。あまりにも単純。
しかしそれゆえに彼女の実力を感じさせる、そんな時間であった。
みながあまりに強引な救出劇に驚く中、ルシフェルは啓太の顔を引っ叩いて意識の有無を確かめる。

「う・・・あ・・・?」
「意識はまだあるようだな。
 痛みでさっさと気絶したいだろうから、さっさと用件を伝えてやる。
 おまえは不合格だ。次に受けるときはもうちょっとマシになってから来い。
 もっとも、おまえの場合そっちの努力をするより、他に何ができるか考えるべきだと思うがな」
「・・・・・・(ガクッ)」

啓太はルシフェルから不合格を通知された後も、必死に意識をつなぎとめようとしていたようだが。
やはり気力だけでは何ともならなかったらしい。
電源が落ちたみたいに意識を失った。
主人の気絶に血相を変えて集まる夢たち。
ルシフェルは集まる怪人たちに

「早く医務室に運んでやれ」

と言って啓太を渡した。
大慌てで啓太を医療部に運ばれていく中、残された怪人たちは殺気をみなぎらせてルシフェルをにらみつける。
しかし当の本人はどこ吹く風で立っていた。

「・・・ふん。主人を傷つけられて怒ったか?
 まったく逆恨みもはなはだしいな。
 まぁいい。この際だ、おまえたちにも自分の弱さというものを叩き込んでやる。
 完膚なきまでにボコボコにされて、自分が今何をすべきか一度じっくり考えてみるがいい」

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