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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 52

「よし。だったら私と立ち会え。
 私の攻撃に耐え切ったら、ここにいる全員の面倒見てやる。
 もちろんおまえの実力も考えて、ハンディキャップもつけてやる。
 どうだ?やってみるか?」

みなまで言わせず、結論だけをズバッと突きつけるルシフェル。
防御にかけては組織でもっとも強固な啓太を相手に、ハンディキャップつきの我慢比べ?
いったい彼女は完全防御となった啓太を相手に、どうやって彼を倒すつもりなのだろうか?
ギャラリーの怪人たちも興味津々だ。
何しろ啓太の防御能力は、アパレント・アトムの怪人たちが丹精(愛情)こめて作った珠玉の一品だ。
それをどうやって突き破るというのか。
開発部の連中はやれるもんならやってみろと言わんばかりに挑戦的な顔をしている。

「時間はいくらかかってもいいから、しっかり防御しろよー。
 死んでも私は責任取らんからなー」

面倒極まりない様子で啓太ごとギャラリーを刺激するルシフェル。
ここまで言われてはさすがの啓太ももう引けない。

(・・・よーし。だったらこっちも本気を出してやる!
 やれるもんならやってみやがれッ!!)

啓太は相手のお望みどおり、最大の防御を展開、球状のシェルターとなってルシフェルの攻撃を待つ。
ルシフェルは宣言どおり、相手の準備が整うのを確認するとため息つきつつ啓太に近寄る。

「・・・ホント単純だな。ここまで単純だとこっちも楽できて助かる」

ルシフェルはそう言うと、シェルターと化した啓太を踏み台に飛び上がり・・・。

ドゴオッ!!

「「「!?」」」

何を思ったか頭上の天井にパンチを1発打ち込んだ。
次の瞬間、天井に十文字のヒビが走り、炎が吹き出、
天井は音を立ててもろくも崩れた。

「確かに防御型ってのは硬い。
 殺るには物理的な攻撃より加熱・冷却・感電といった攻撃のほうが有効だ」

 啓太が瓦礫に飲まれていく中、ルシフェルは淡々と解説する。

「わかるか?つまりどんなに硬いヤツでも、弱点は必ず存在するんだよ。
 例えば精神面とか、防御を解いたときとかな。
 後は仕掛けをごろうじろ・・・ってな」

出来上がったのは啓太の上に築かれた瓦礫の山。
ルシフェルはそこまで言うと、ごろんとその場に横になった。
まさかこれで彼女は自分の勝ちとでも言うつもりなのだろうか?
あんなことくらいでは今の啓太は傷1つつかない。
いったい彼女は何を考えているのだろうか?
それに気づいたのは彼女のお眼鏡にかなった怪人たちと、頭の切れるほんの一部のものだけであった。

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