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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 47

「なぜ、貴様の部下が役立たずの粗悪品と言ったと思う?確かに役に立つべく鍛えているのは認めよう。だが、相手の虚を付けず、己の力を過信しすぎているようでは……言われても仕方があるまい。あまつさえ、貴様に逆らうとしても諌める事もできんようではなおさらだ!!役に立つぐらいなら自動人形(オートマトン)でも出来る!!」
そして、威圧するようにルシフェルが声を張り上げた。

「さぁ、するべきことは山ほどあるぞ。
 ほら、いつまで寝ているつもりだ!?
 時間がないんだ、さっさと訓練を始めるぞッ!」

自分で啓太の股間を蹴り上げておいて、実に自分勝手な言い分である。
しかし奇しくもルシフェルの言葉は的中することになる。
これからまもなくして、啓太は新たな戦いに身を投じることになるのだ。
敵の名前はヒーロー協会。
世界の秩序を守るとされる、強力な戦力を有する世界規模の組織。
それは啓太が今まで戦ってきたどんな組織よりも巨大で手強い、最強の戦力の1つであった。

――――

「・・・ふむ。それではルシフェルはその組織に?」
「はい。与したと見て間違いないでしょう」

ヒーロー協会新京支部、司令室。
そこで大塔寺がアドヴァンスド・ヒーローのミカエルから報告を受けていたところであった。
報告自体は何の変哲もない、淡々としたものだが、それぞれ思うところがあるのか、両者の空気はゆがんで危険なものを孕んでいた。
第3者がこれを見ていたら、すぐにここから逃げ出したい衝動に駆られることだろう。
鬼瓦警部は部下を連れてこなかった自分の選択の正しさに、安堵のため息をつかずにはいられなかった。
自分たちの部下なら逃げ出したり卒倒するようなことはないだろうが、こんな空気に長時間いたら頭がおかしくなってしまう。

「世界の秩序を守るヒーローが、悪の組織に身を堕とすことなどあってはならない。
 たとえそのヒーローの出来が悪く、処分間近だったとしても・・・だ。
 ミカエル君、鬼瓦警部。ルシフェルの潜伏先の情報はつかめたのかね?」

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