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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 46

啓太の変貌にきょとんとしていたルシフェルだが、暫くして笑い始めた。
「クフフ……フフフ……フハハハハッ!!やれば出来るじゃないか、坊や。そうだ、それでいい。組織の頭を張るなら自分の組織や信頼する部下を馬鹿にされれば黙ってないで言い返す気概ぐらいは持ってもらわんとな」
なんと今まで見下していたような発言しかしてなかったルシフェルの口から相手を賞賛するような言葉が出たのだ。
「だがな……」
今のルシフェルの状況は自分より背の高い啓太に服だけで鼻先まで体を持ち上げられているようなもの。
感情的になって周りが見えてない啓太は気が付いていない。
己の急所とルシフェルの膝がちょうど直撃する位置だという事を。
「感情の赴くままになるというのは感心できんな!!」
「おま……○×△□☆#$!!!」
おまえと言おうとして啓太の股間に激震が走った。
ルシフェルが彼の股間に膝蹴りを叩き込んだのだ。
啓太が鎧を纏う暇すらなかった。
「頭が熱くなる前に状況を冷静に把握するべきだったな。苦悶に塗れて暫く頭を冷やせ」
冷ややかに言うルシフェル。
啓太はと言うと激痛のあまり、手の力が緩み、浮いていた彼女の足に床に付く。
「啓太様!!貴様、啓太様に何を!!」
「安心しろ。みみっちぃ玉が潰れた位で死にはしない。大体、感情的になるこいつが悪い」
敵意を表す夢の殺気を柳に風の如く流しながら言うルシフェル。
「貴様にはリーダーとしての心構えを徹底的に叩き込んでやる。その軟弱な反骨精神も背負うべき重さも全てその体に覚えさせてやる。貴様の部下もだ。使えん粗悪品から、相手が何だろうが、退く事無く、死ぬ事無く、どのような手段を持ってしても任務を必ず全うする一流の戦士に叩き上げてやる。もっとも、地獄への片道切符になるかどうかは貴様ら次第だろうがな」
痛みのせいで、脂汗を流しながら蹲る啓太をルシフェルは鋭い視線で見下ろす。
それまでの冷たい視線ではなく、例え憎まれようと教え子を生き残らせる術を教える教官とでもいうべき視線で。

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