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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 45


啓太に我が身の一部である左手(刀)を差し出しながら懇願する刀。
その必死の懇願に啓太は圧倒されっぱなしだ。

「け、啓太様っ!も、申し訳ありませんっ!?
 刀がとんだ無礼をっ!すぐに処分いたしますのでっ!」
「!?ま、待てクロック!勝手なマネをするな!
 それを決めるのは啓太様だ!おまえが決めるなどおこがましいぞ!」
「う・・・あ・・・」

クロックと夢の言い合いをよそに、答えるどころか考えることさえままならない啓太。
そんな彼にルシフェルは冷たくも真剣なまなざしで、さらなるプレッシャーをかける。

「・・・おい、おまえ。
 部下にここまでさせといて、何もしないわけじゃないだろうな?
 そこの役立たずは少しでもおまえの役に立つために、なりふり構わず『お願い』しているんだ。
 おまえが答えてやらないでどうするんだ。
 それとも何か?
 おまえは都合の悪いこと全部を他人に押し付ける、そういうニンゲンなのか?」

ピク・・・ッ!

刀の突然の暴挙に混沌としていく中、啓太はその言葉に確かに反応した。
いや。今まで停止していた思考が、今の暴言で再起動したと言うべきか。
あわあわしていただけの、情けない男の顔に意思の光がともりだす。
啓太自身さえ信じられないほどの、強く狂暴な意思の光が。
そしてその光が一際強く輝いたその瞬間。

「ぃやかましいッ!!!!静かにしてろッ!!!!」

ドンッ!!

啓太は大声を張り上げ、テーブルに強く拳を打ち付けていた。
強制命令でもない、ただの大声。
だけどそのただの大声に、周囲の怪人たちは言葉を失い、その動きを止めた。

「役に立たない!?再改造だ!?首を刎ねろだ!?
 うるさいうるさいうるさいッ!!!!
 ドイツもコイツも、勝手なこと言うなッ!!
 そんなこと、オレの知ったことかッ!!刀ッ!!」
「は、はいッ!?」
「オマエはオレの所有物なんだろ!?オレの女なんだろ!?
 だったら役に立ってないとか殺せだの抜かすなッ!!
 オレの何千、何万倍も優秀なくせに、そんなこともわかんねえのかよッ!?」
「は、はいッ!?も、申し訳ございませんっ!?」

今まで見たことないほど激怒する啓太に、刀はただただ平伏して許しを請うしかない。
刀に言いたいことを言った啓太。
しかし彼の怒りはまだ治まらない。
彼は感情の赴くままにルシフェルの胸倉をつかむと、鼻先まで引き寄せ怒鳴りつける。

「アンタも助けがほしくて泣きついてきたくせに、えらそうにしてんじゃねえよッ!!
 何様のつもりだ!!いいか!?よく覚えとけッ!
 オレの組織に役立たずなんて1人だっていやしねえッ!
 今度ふざけたこと言ってみろ!二度と言えないように、
 ボコボコにして路上に放り出してやるッ!!」

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