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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 44

「そうか、お前も一流だと認めてやろう。」


ちっともそんなことなど思っていない様子で、ルシフェルがあざ笑う。
その態度はとても元正義の味方とは思えない。
むしろ悪役のそれだった。
しかし刀はそれを意に介すことなく、真剣なまなざしで不届きな少女を見つめる。
そこにあるのは怒りでも殺意でもなく。
何かに期待するような、すがりつくような『何か』であった。
そのまなざしにルシフェルから自然と嘲笑が消えていく。
張り詰めた空気の中、刀は祈るようにゆっくりと言葉をつむいだ。

「・・・ひとつ、聞きたい。
 おまえならその粗悪品だらけの私たちを、一流の組織にしてくれるのか?」
「・・・ッ!?刀っ、おまえ、何言って・・・!?」

その言葉に周囲はざわめき、混沌とする。
当然の話だ。その発言はルシフェルの言い分を認めるだけでなく、組織発足以来の全ての功績を否定するも同然なのだから。
みなが驚く中、ルシフェルは少し時間をおいてその質問に答えた。

「あぁ。おまえらの主には助けられた借りがある。
 そこの男がそれを望むのなら、その力を貸してやろう」
「・・・そうか」

刀はそう言うと、刀は刃を引き。その場で啓太に向かってひざをついた。

「啓太様!無理を承知でお願い申し上げます!
 どうかこの女を、我が組織に引き入れてはもらえぬでしょうかッ!?」
「「「なッ・・・!?」」」

その言葉に驚きを通り越して全員が絶句する。
刀は。この女怪人は生まれて初めて持ち主を危険にさらすという可能性を無視し、あまつさえ主人である啓太にお願いをするという、とんでもない暴挙に打って出たのだから。

「私は今まで、啓太様のお役に立てるよう、修練の日々を重ねてまいりました。
 しかしいたずらに時を浪費するばかりで、啓太様のお役に立つ日は兆しすら見えぬ有様。
 さりとて安易に再改造に走るは、ヒトとして生きろという啓太様のご命令に反します。
 なればこそ!我が身を賭してお願い申し上げます!
 この者を召し抱え、私に啓太様のお役に立つ機会をお与えくださいませ!
 さもなくば啓太様に恥をかかせた無礼者として、どうかこの首をお刎ねください!」

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