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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 42

「そもそもだ。アドヴァンストヒーローが造られた目的自体、対ダークギルドと言う位置付けが大きい。旧ヒーローと比べると雑魚の天使級でも悪の組織の雑兵程度楽に勝てるほどの力量を有している。アドヴァンストヒーローが造られた、もしくは旧ヒーローから強化された人数は知らんが、熾天使級だけでも第0、第一世代で私を含めると八人だ」
八人も手強い相手が存在していると聞いて、啓太とバルキリーは特に驚いていた。
熾天使級を相手にした彼らだから驚いたのも無理はないだろう。
「私を含めた第0世代の熾天使級は4人だが、うち2人は連絡がつかん事から殺されたか、あるいは自害しただろう。そして、私を追跡していたのが第一世代の熾天使級四人。遠距離メインの流気天使 ラファエル。水の分子を操る激水天使 ガブリエル。電子戦を得意とする機天使 ウリエル。熾天使級のリーダーである陽天使 ミカエル」
「そういえば、ミカエルがルシフェルの事を姉さんと呼んでいたけど」
「ああ、弟だ」
「なるほど、おとう……ええっーーーー!!!」
あっさりと言ったルシフェルに納得しかけて心底驚いたとばかりに声を上げる啓太。
「話を続けるぞ。第0世代は私ともう一人、降魔天使 サタナエルがいる。今のリーダーはサタナエルだろうがな」
「先ほどからおっしゃっているなんとか天使というのは?」
ルシフェルの発言に疑問を覚えたミラージュが質問する。
「二つ名みたいなものだ。気にするな。ただ……」
「ただ?」
歯に物が詰まったようなルシフェルの言葉に夢が先を促す。
「私達、アドヴァンストヒーローの技術はとある怪人が元になっていると話しで聞こえたが……」
気になっているのか眉間に皺が寄るルシフェル。
だが、幾ら考えた所で答えが出るはずもない。
「済まん。気になるが答えが出ない以上後回しにしよう」
時間の無駄と悟ったルシフェルは謝罪して淡々と話を続ける。
「それで、肝心の追われていた理由は?」
驚きから立ち直った啓太が続いて問う。
「ヒーロー協会の腐敗振りに失望したのと、スパイの尻尾を掴んで罠に嵌められた。腐った組織に縛られて、歯車となって働くくらいなら脱走して私の道を進んだ方がまだマシだ。なにより、誰かに縛られるのは私は嫌いだ」
彼女の目には揺るがず、貫き通す、確固たる信念が宿っていた。

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