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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 36


「この近くに公園がある。まずはそこで手当てをしよう。
 バルキリー、事が事だ。みんなにも連絡して集まるようにしてくれ」

問題の先送りになってしまったが、それでも時間を稼げたことに安堵しつつ、啓太は組織の長として部下に命令を下すのであった。

――――

一方その頃。逃げたノワールたちは。
「許さんぞ、許さんぞルシフェル・・・・必ずその罪、償わせてやる・・・・・。」
雷電が怒髪天を突かんばかりに−実際にはその頭髪は大銀杏を結っているのだが−怒りを滾らせていた。
そしてそれは、Mr.モーリーも同じだった。
「ルシフェルも女だからとはいえ、いや、女でありながらこの娘たちにこのような酷い怪我をさせるとは・・・・・、許せん。再生医療をもってしても元の姿に戻るには長い道のりになるぞ・・・・。」
モーリーパワーによってある程度回復した(実際にはモーリーパワーの回復力は高く、過去の実戦では前線で多くの仲間を負傷から救ってきた。)とはいえ、かなり無残な姿になったノワールとエトワール。
寸刻も早く入院させるべく、雷電と2人で彼女達を急送しているところだった。
すでに病院と協会には急報を入れてあり、協会系列の病院が受け入れ準備を整えて待っていた。
2人はノワールとエトワールの身柄を渡し、再び任務に戻るべく、外に出ようとすると。
そこには1人の青年が誰かを待つように、入り口の壁に寄りかかっていた。

「・・・?誰だ、あの男は?」
「ここにいるってことは私たちの関係者なんだろうけど・・・見たことのない顔だね。
 新入りかな?」

2人がいぶかしんでいると、青年は壁から離れ、深々と頭を下げた。

「お忙しいところ、申し訳ありません。
 Mr.モーリーさんと雷電筒衛門さんとお見受けしますが、間違いありませんか?」
「そうだが・・・君は?」
「ああ、これは失礼。私はアドバンスドヒーローのミカエルと申します。
 今回は姉がご迷惑をおかけしまして」
「「・・・!」」

アドバンスドヒーローのミカエルと聞いて、2人は一瞬目を見開いた。
ヒーロー協会でも最高機密の存在が、まさか自分たちに謝罪しに来るとは思いもしなかったのだ。
特に雷電はあからさまに態度が硬くなっている。
何しろアドバンスドヒーローは、次世代を担う正義の味方と噂されている。
ぽっと出の新米が先輩ヒーローを差し置いて活躍しようなど、これほど無礼な話もない。

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