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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 35

吹き飛ばされて重傷を負ったルシフェルとバルキリーを含む皆が驚く。
「我は雷電 筒衛門!ヒーローの一人として、仲間たるノワール、エトワールの救援に参上した!!許さんぞ、裏切り者ルシフェル!!」
雄大な体格に相応しい、重く力強い声で、その漢は名乗りを上げた!
背後では、緑色をした誰かがノワールとエトワールに治療を施していた。
「我がモーリーパワーよ!この娘たちを元の姿に戻したまえ・・・・・・」
Mr.モーリーが必死の形相でモーリーパワーでヒーリングを施しているのだ。
ルシフェルに止めを刺すべく、雷電が砲口を向けた。
だが・・・・
「筒衛門、今は退くぞ!この娘達の傷が酷過ぎる!!モーリーパワーだけでは完治不能だ!」
「ぐぐ・・・・」
雷電が歯噛みして悔しがる。
「ええいルシフェル、その命、今は預け置く!」
そう叫ぶと雷電はノワールとエトワールの元へと下がり出す。

「やっと退いたか。」
雷電達は去る間際、悔しさに満ちた捨て台詞を吐くと、ルシフェルは少しほっとする。
「では、私を貴様達の住処に案内させてくれ。」
雷電たちが去った後、ルシフェルは啓太達にふてぶてしく保護を頼む。
そこに待ったをかけるのはバルキリー。

「待て。なぜ我々がおまえを保護しなければならない?
 むしろ我々はおまえのせいで巻き添えを食った、被害者だぞ」
「ほう?ならばおまえは敵の情報を持っているかもしれない、唯一の情報源を手放すと?
 まぁそれもいいだろう。
 何の情報もなく連中と戦うことになるだろうが、な」
「・・・っ」

敵の情報と言われては、バルキリーも反論できない。
情報もなく戦うことの愚かしさは、戦いの歴史を紐解くまでもなくわかっている。
しかし頭でわかっていても、心のほうは納得できない。
どんどん高まっていく不穏な空気に、啓太はあわてて仲裁に入った。

「ま、待った待った!こんなところでケンカすんなっ!?
 とにかくいったんこの場を離れよう。
 さっきのどたばたで近所の人たちが騒ぎ出してるしっ」

啓太の必死の説得に、ルシフェルもバルキリーもいったん矛を収めてくれた。
かたや終われる身、かたや裏社会の住人である以上、むやみに人目を集めてはならない原則を優先してくれたのだ。

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