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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 33

その瞬間、ステッキから放たれたいくつもの白と黒の光の帯が、奔流となって3人に襲いかかる。
そして啓太がガードしようとその手を差し出したその時!
横からルシフェルがひょいと割り込み、迫り来る2色の奔流の前に立ち塞がった。
左手を握り、そのまま地面に叩きつける。
ルシフェルを中心に十字の炎が四方同時に吹き上がり、クロスファイヤーが白と黒の奔流を僅かな時間ながら裂く。
「女、貴様はさっさとウイルスを削除しろ!!休むに休めん!!」
「どういうつもりだ、貴様」
「気が変わった。そこの役立たず(啓太)の根性に免じて手を貸してやる!!」
裂かれた流れは押し流すように元通りになっていく。
その間にルシフェルは次の動作に移っていた。
右手を開き、そのまま流れにぶつけるように地を蹴った。
何かを掴んだままような形の右手を突き出したまま、激流を逆らう鮭の如く、ルシフェルは突き進む。
一気に白と黒の奔流を源ごと食い破るようにルシフェルが飛び出す。
驚きに目を見開くノワールとエトワール。
だが、突き出したルシフェルの右手は傷だらけとなって真っ赤に染まっている。
あの奔流を右手一本を犠牲にする事で突き進んで来たのだ。
「あいにく、休んでいる間に体力も傷も回復してきてな」
エトワールの脇腹を狙ってルシフェルが重い蹴りを叩き込む。
「ぎっ!!」
肋骨と腰骨の間に吸い込まれるように叩き込まれた蹴りにエトワールが壁際まで吹き飛ばされる。
ルシフェルとしては鍛えようが無い人体急所でもある肝臓を狙ったつもりだったのだがエトワールには溜まったものではないとばかりに悶えている事から結果的にはそれでもよかった。
「エトワ……」
「焼き焦げろ」
反動を利用してノワールに迫り、そのまま顔面を左手で鷲掴みし、獰猛な笑みを浮かべるルシフェル。
そして、あろう事か密着したままクロスファイヤーを放った。
「ぎゃうっ!!」
顔面を押さえ、のたうち回るノワール。
それはクロスファイヤーではなく密着して放つもう一つの技、インペリアルクロスだった。
両手で顔面を押さえている為、あまり見えないが僅かに除いた皮膚の状態から重度の火傷を負わされたのは確かだろう。
「おい、女!!ウイルスの削除は出来たのか!!」
「貴様に言われんでも今終わった所だ!!」

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