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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 25

突然巻き込まれたと思ったら、あっという間に蚊帳の外に追われた啓太。
しかし彼はむしろその立場を利用し、自分の置かれた立場や状況など、さまざまな情報を入手・整理していった。
力ずくで、だなんて考えない。だって自分は弱いのだから。
今までの経験から、自分の実力というものを嫌というほど味わった啓太は、それを元にできることを精一杯やっていたのだ。
だがそんな彼の必死な行動を快く思わないものも、いた。

ガゥンッ!

「悪いが、そろそろ関係者でないものにはご退席願おう。
 余計なことを知られても困るのでね・・・」
大型拳銃の銃口を啓太に向ける。
ラファエルが使用する大型拳銃は特殊な型だ。
空気圧を弾丸とし、普段は非殺傷でありながら相手の抵抗を完全に奪う。
だが、一旦相手を完全に殺すとなれば凄まじい気流の渦によって引き千切るだろう。
「今のは警告だ。でしゃばってここで死ぬか、大人しくこの場を去って見た事聞いた事を貝のように口をつむぐか?」
返答次第では容赦しないと暗に含ませる。
夢と出会ったばかりの啓太なら、恐怖と持ち前のお人よしで板ばさみになって動けなくなるところであろう。
だが今の啓太は違う。恐怖を感じるのは相変わらずだが、これまでの訓練と経験が啓太に考えさせるだけの余裕を与えていた。
むしろ余裕がないのはボロボロのルシフェルと、怒り心頭のバルキリーのほうだ。
ただでさえ自分をザコ扱いされて不機嫌だというのに、啓太に銃口を向けたとあっては黙っていられない。
それは啓太の忠実な道具、奴隷を自認する彼女にとってあってはならない無礼であった。
バルキリーは幽鬼のごとく、ゆっくりと顔を上げるとポツリと一言。

「死ね」

その瞬間、周囲の壁や地面から何本もの針が飛び出し、アドヴァンスド・ヒーローたちに襲い掛かった。
「それが答えか」
翼をはためかせ、一気に上空へ舞い上がる事で針を避けるラファエル。
「せっかく見逃してあげると言うのに」
自身を回転させ、羽衣が翻るとまるで刃物の如く、針を切り裂く事で無効化するガブリエル。
「いいでしょう。そんなに死にたいのなら望み通りにしてあげるのも慈悲というもの」
ルシフェルと同じ紅い剣、コロナブレードを手に出し、高温の熱風だけで針を溶かすミカエル。
だが、ウリエルだけは針が全身に突き刺さった。

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