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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 24

「ありゃ?ルシフェルを捕まえに来たんだけどなんか関係ないのも居るよ」
されど、その外見とは裏腹に声は無邪気な少年のような声。
ロボットのような外見をしたウリエルもまた熾天使級アドヴァンストヒーローの一人。
「姉さん、大人しくしてください。今なら軽罰だけで済みます。私からも弁護しますから」
そのウリエルの隣にはルシフェルを大きくしたような外見を持つ男。
ルシフェルの弟であり、熾天使級アドヴァンストヒーローのリーダーを務めるミカエル。
「はっ、断る!!誰好んで腐った組織の歯車になってまで戻るものか!!」
そのミカエルの言葉に対してルシフェルは拒絶する。
あまりの展開に怒りに血を上らせていたバルキリーも熱が冷めていた。
挟まれた状態ではある故、警戒は解かない。
何より、相手との力量差が嫌でも感じ取れた。
「ミカエル。どーするの?あの怪人と一般人」
「あくまで姉さんを連れ戻す事だから、見逃してあげなさい」
「わかった」
ウリエルに返事を返すと啓太たちにミカエルは顔を向ける。
「そう言う事だから今は見逃してあげます。いずれにせよ貴方達怪人は全て滅ぼしますから、せいぜい余生を謳歌していてください。そこの一般人も怪人と関わると碌な目に逢いませんよ」
ルシフェルより敬語で丁寧なものの彼女同様にミカエルは汚物を見るような目でバルキリーだけを見ていた。
どうやらミカエル達は啓太が何者かも知らないようだ。
ヒーローとは言えその言葉を信用しようにも出来なかった。
油断させて背後からと言う疑心暗鬼がバルキリーの心中に渦巻く。

しかし疑心暗鬼のバルキリーが動くより早く動いた1つの影があった。
ルシフェルだ。
彼女は突然現れた謎の天使たちの注意が啓太たちに向いた、そのわずかなスキを狙って一気に間合いをつめる。
―――が。

「無駄だよ〜」

鈍色の巨人の背中から、一対の巨大な翼が出てきたかと思うと、ブルブルと震えだす。
すると子供とは思えぬ速度で移動していたルシフェルの身体に、異変が起こった。

「ぐッ・・・ガァッ!?」

ルシフェルは短くうめくと、謎の天使たちの手前で倒れこんでしまった。
よほどのことが起きたのか、彼女はビクビクと身体を痙攣させ、目からは涙、口からは唾液を垂れ流しながら苦しんでいる。

「バカだね。今のあなたの実力じゃ、ボクらに勝てないってまだわからないの?」
「おい、ウリエル。あまり姉さまをいじめるな」
「大丈夫だって。ちゃんと手加減はしているよ」
(コイツら・・・このコを捕まえに来たのか・・・?)

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