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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第3部 23


「うっ・・・く。ミカエルめ、トチ狂いおって・・・!
 翔影あたりにでもたぶらかされたか?
 あの図体ばかりでかい3歳児が・・・!」

忌々しげにつぶやきながら起き上がる少女。
その声を聞いていた啓太は、一瞬にして自分が判断ミスしたことを理解した。
彼女の言っていることはわからない。
だが彼女は自分が苦手とするタイプの人間(?)だと。
さりとて逃げようにも、時すでに遅く。
不幸にも、啓太は起き上がってきた少女とバッチリ目が合ってしまった。
彼女は啓太たちの存在に少々驚いたようだが。
やがてこれ以上ないくらい、邪悪な笑みを浮かべるといきなり命令してきた。

「おい、おまえら!ちょうどいいところにいた。
 私をおまえらの家にかくまえ」
「・・・は?」

啓太は一瞬自分の耳を疑った。
いくらなんでも、初対面の人間にいきなり命令してくるとは思わなかったのだ。
聞き間違いか?そう思ったところにふたたび謎の少女の命令。

「何をしている?私をおまえらの家に連れて行けといったのが聞こえんのか?
 おまえらの耳は何の役にも立たない、デザイン最悪のアクセサリーか何かか?」

・・・今度は罵声のおまけまでついてきた。
かわいらしい見た目とは裏腹の毒舌ぶりに絶句していると、横からバルキリーが割って入ってきた。
後姿だけで顔はわからなかったが、鬼神のごとく怒っているのは容易に想像できた。
なぜならバルキリーは、怒りのあまり怪人モードになっていたからだ。
「人に物を頼む態度としてはあまり関心しませんね、ルシフェル」
「物事何もかも思い通りに事は進まないという事だ。観念するんだな」
啓太とバルキリーの背後から声がして2人が振り向く。
一人はシースルーの羽衣を纏い、その背には青い翼、水色の流れるような髪と緑眼が特徴の美少女。
その姿はまるで天女を彷彿させる彼女の名はガブリエル。
完全体として完成されたアドヴァンストヒーロー、その中でも最高峰に位置する熾天使(セラフ)級の一人だ。
もう一人はTシャツに防弾チョッキを着ており、背には緑の翼、銀色の短髪、青い瞳が特徴の男装の麗女。
無骨な大型拳銃を両手に持つ彼女の名はラファエル。
ガブリエルと同じ熾天使級アドヴァンスヒーローだ。
「ガブリエル、ラファエルだと!!もう追いつかれたか!!」
その反対側に地響きがなる。
まるで重たい何かが地面に勢いよく降って来たような。
振り返ると鈍色をした大型の盾を両腕に装備したロボットのようなフォルムをした何か。

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