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悪魔を孕んだ聖母達
官能リレー小説 - SF

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悪魔を孕んだ聖母達 10


驚きのあまり声も出せない猟師は1つの選択を迫られる。
すなわち見ず知らずの女性5人に手を出した責任を取って介抱するか、見なかったことにして逃げるかである。
だがそんなこと、考えるまでもない。
ボテ腹妊婦が全裸で山の中にいるのだ。わけありなのはすぐにわかる。
今彼女たちを見捨てれば、腹の中の子供も見捨てることになる。
さすがにそんなことできるはずもなかった。

「はあぁぁぁ〜〜〜っ・・・。助けるしか・・・ねえよなぁ〜〜〜」

こうして5人は図らずも、生き延びるための協力者を手に入れることに成功したのだった。

□□□□

「はあああぁぁぁああぁぁあぁッ!?す、するってぇと何だべ!?
 アンタら全員、その政府の施設から逃げてきたって言うべか!?」

それから数時間後。とりあえず自分の家へとカルラたちを連れてきた猟師は、彼女たちのこれまでの経緯を聞いて大いに驚いた。
もちろん、自分たちの腹にいるのが人間ではなく化け物であることや理性を保つために精液が必要なことなど、肝心の部分は適当にごまかしておいたが。
しかしそれでも数時間前にした決心をなかったことにしたいくらい、猟師は後悔した。
それほどまでに政府は恐ろしい存在なのだ。
そんな猟師の心情がわかったのだろう。
5人のリーダー格であるカルラが心から謝罪する。

「すまない。あなたに迷惑をかけるつもりはなかった。
 近くの町か村の場所を教えてくれたら、すぐにでもここを出て行こう」
「えーっ!?もう出発するの!?せっかく身体を休められると思ったのにぃ!」
「く・・・クリスさん、そんなこと言ってる場合じゃ・・・」
「そうですよ、得体のしれない私たちに、服や食べ物までくれた人なのに・・・」

不満タラタラのクリスをエリシアはたしなめ、ユーリはあきれた。
今、彼女たちは猟師がくれた毛皮の服を羽織り、テーブルに並べられたパンやミルク、干し肉などを食べていた。
上だけ服を着ているのはある意味、全裸よりエロティックだが決して猟師の趣味ではない。
妊婦体型の彼女たちが切れる他に服がなかったのだ。
パンを取ろうと手を伸ばすたび、温められたミルクを飲もうとコップを持ち上げるたびに。
大きく膨らんだ乳房が揺れ、ピンク色の頂点がちらちらと姿を現す。
殺風景な猟師の家(山小屋)が桃色空間になっているのを見て、猟師は自分の選択が間違っていなかったことを確信した。
目の前の色香のおかげで何とか立ち直った猟師は、恐縮しきりのカルラたちに

「ああ、ええってええって。アンタらの面倒見るって決めたんはオラの意思だで。
 アンタらぁ、気にせんと思いっきり頼ってくれたらええ」
「いや、しかし・・・」
「だいたい、その格好と身体じゃあんまり出歩けねえだど?
 いいからオラにまかせんしゃい!」

ここが男の見せ所とばかりにドンと胸をたたく猟師。
しかしカルラは大いに困っていた。
彼を危険に巻き込ませまいと、大事なところをごまかし、『自分たちは政府の施設でクスリを使われ、慰み者にされていた』と説明したのだが・・・。
実際腹の中にいるのは、母体である自分たちすら殺してしまう超危険生物だ。
いつ生まれるかわからない以上、巻き添えにする前に立ち去りたかったのだが、ごまかしたことが裏目でに出てしまった。
レジスタンスと連絡がつくまで身を寄せる場所に心当たりはないし、理性を保つためにも精液は必要不可欠だし、ありがたいことには違いない。
最悪産気づいても、犠牲は彼一人で済む。そう思うとカルラはよけいに真実を口にできなかった。

「いーじゃないの、カルラ。この人の世話になっても、さ」
「クリス!おまえ、何を言って・・・!」
「どーせこんなカッコじゃ、どこ行っても怪しまれて何もできないわよ。
 それにあのコたちのこともあるしね。手伝ってくれるって言うんなら、お言葉に甘えましょ!
 大丈夫大丈夫、人生なるようになるわよ」

一見、無責任なことを言うクリス。
しかし実際問題、カルラ以外の4人が政府からの逃亡生活についてこれるとは思えない。
いろいろ考慮した結果、カルラは猟師の申し出を受けることにした。

「すまない。仲間に連絡がつくまでの間、やっかいにならせてもらう。えーと・・・」

そこで5人は初めて猟師の名前を知らないことに気が付いた。
猟師もそれに気づいて1人失笑しながら、簡単な自己紹介をした。

「オラはここで猟師をやってるシータってもんだ。そんじゃよろしくな、美人のお嬢さんがた!」
「お、『お嬢さん』ン!?」

ストレートなほめ言葉にカルラは驚き、エイミー以外の3人が笑う。
こうして猟師シータと政府のモルモット5人との奇妙な共同生活が始まったのであった。

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