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悪魔を孕んだ聖母達
官能リレー小説 - SF

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悪魔を孕んだ聖母達 1

ある小さな独裁国の山奥に、高い塀に囲まれた施設があった。常に警備兵が見張っており、中を見る事はおろか近付く事さえ出来ない。
それは軍の研究施設だった。だが何の研究をしているのかは全く不明。ただ時々、若い女達を載せた軍用トラックが中に入って行くのが、地元民によって目撃されていた。
高級将校専用のハーレムなんじゃないかと言う者も居るが、まあ誰も信じない。
ある月の無い静かな夜。だが、この建物の周囲に限っては金物屋の大掃除のようなけたたましさに包まれていた。サイレンが鳴り響きサーチライトが辺りを照らし、銃を持った兵士達が行ったり来たりしていた。犬を連れている兵士もいる。彼らは何かを探しているようだった。将校が大声で怒鳴っている。
「いいか、脱走者は6名だ!必ず全員捕らえろ!捕らえられぬ時は射殺しても構わん!この研究所の秘密が外部に漏れては取り返しがつかんからな!」

一方、ここは研究所から少し離れた森の中。山道を必死に走る6人の人影があった。それは全裸の女達だった。年齢は様々だったが全員が妊娠しているらしく腹が膨らんでいた。妊娠3ヶ月目くらいの膨らみ始めの者から臨月腹の者までいる。
「頑張れみんな!捕まったら命は無いぞ」
「あ…足が痛いよぉ〜」
「足くらい我慢しなさい!」

そのうち一番大きな臨月腹の20代半ばくらいの女が突然、腹を抱えてしゃがみこんだ。
「うぅ…私、もうダメだわ」
「何言ってるのよレイラ!?しっかりして」
10代後半くらいの娘が女を支えて言った。
「ユーリ、お願い…私を置いて先に行って…」
「まさか…産まれそうなの!?」
女は娘の問いかけに苦しそうにコクリと頷いた。
「そんな…せっかく逃げられたのに…そんなのって無いよ…」
娘は女にすがりつきながら泣いた。
「置いて行こう。可哀想だが仕方ない。一緒にいたら私達まで“喰われる”」
リーダー格らしき短髪の女が言った。
「私、残る!大丈夫。出産が終わったら、すぐレイラを連れて逃げるから!“ヤツら”を上手く撒いて必ずみんなに追い付くから…」
「ヤツらから逃げるなんて無理だ!ましてや出産で弱った身体ではなおさらだ!あきらめろ!」
「嫌!レイラを見捨てて逃げるなんて出来ない!!」

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