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悪魔を孕んだ聖母達
官能リレー小説 - SF

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悪魔を孕んだ聖母達 6

所長は心の中で自分のすべきことを確認すると、再び部下に連絡を入れる。
実験中のモルモットたちの管理体制の強化、追撃部隊の編成。
指示を飛ばす所長の表情は、死人に鞭打つほど怒り狂っていたとは思えないほど落ち着いていた―――。

※※※※※※

「さて、これからどうするかな…」

カルラは、自身の臨月腹を見てぼやく。早くこのバケモノをどうにかしなければ、皆がレイラと同じ最期を遂げることになる。やはり、レジスタンスに向かうのが最も良い選択であろうと思うが、何せこの腹だ。
いつレイラのように産気づいて出産するとも限らない。出産すれば、確実にバケモノが何もかもを食い荒らすだろう。
しかし慎重に行動するにも、彼女たちには時間は残されてはいない。あのイカレた研究所が、逃げ出した実験サンプルを放って置くわけがないからだ。
どのみち、このボテ腹を抱えてレジスタンスまで急ぐしかないだろう。

「…っ」

彼女のなかで蠢くバケモノがお腹を蹴った。

「安心しろ。お前が生まれてくる時は、蜂の巣にしてやるからな。」

産気づく前に、何としてでもレジスタンスに着かなくては、一巻の終わりだ。

レジスタンスはあの忌まわしい研究所で行われているおぞましい実験のことをつかんでいる。
あそこだけが自分たちを救ってくれる、唯一の希望であった。
もしそうでないならば・・・その可能性を考えたカルラはかぶりをふった。

(やめよう。今は生きるために、できるかぎりのことをしなくて・・・は?)

その時だった。突然腹の中にいるモノが激しくうごめきだした。
一瞬産気づいたのかと恐怖が走る。しかしそれ以上の愉悦が彼女の身体を苛んだ。

「こ、これっ・・・はぁンッ!?」

レジスタンスらしからぬ甘い声が口から洩れる。
カルラだけではない。クリスたちも突然の快楽に驚き、身悶えている。
化け物を孕み、大きく膨らんだその乳房から断続的に母乳が断続的に噴出する。
それは出産の前触れなどではなかった。
腹部でうごめく怪物が成長したときに起こる、発作のようなものだった。
化け物を生むために母体に何らかの変化が起こっているのか。
それとも化け物が生まれたときの最初のエサとして成熟させられているのか。
化け物の子供を宿したカルラはもちろん、それを仕込んだ国の研究機関さえわからない。
わかっているのはそれが起きると、まともにものを考えられないほど気持ちいいということだけ―――。
レジスタンスであるカルラは化け物なんかに屈してたまるかと懸命に快楽に耐えようとする。
しかしそれは決壊したダムの水を正面から受け止めるようなもの。
耐えられたのは一瞬だけで、彼女の理性はあっという間に快楽に飲まれ、ただのメスへと堕とされた。

「な、なんなのよこれ…ひああああああああンッ!…ハァ…ハァ…身体が、熱い?これは…ひょっとして…あはああぁぁん!」

カルラには思い当たる節があった。
それは、あの研究所で看囚が話していた噂話。

「反抗的なサンプルには、常時発情させて精液をエサにして従わせるらしいぜ。」

「ああ。何でもそのままだと精液啜らないと廃人になって頭が壊れるらしいな。おっかねえ話だ。」

まさか、これがそうなのか。
その話が本当なら、一刻も早く精液を入手しなくては。



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