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悪魔を孕んだ聖母達
官能リレー小説 - SF

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悪魔を孕んだ聖母達 3


レイラの想いが天に通じたのか、虫共がレイラと兵士達の死肉を喰い漁っている所に別の部隊が運悪く出くわし、哀れ彼らも虫の餌食となった。
だが、片手を食いちぎられながらも何とか逃げ延びた一人の兵士が研究所に帰り着き、事の次第を報告した。
すぐさま火炎放射器を持った兵士達が現場に駆けつけ、既に白骨と化したレイラやまだ息のあった兵士達もろとも虫を焼き殺したのだった。
しかし、殺せたのは虫達の半分くらいで、残り半分は山中に飛び去ってしまった。
「これ以上捜索を続けたら、こちらの被害が増すばかりだ。即時逮捕は諦める。非常線を解け」
研究所の最高責任者である大佐は居並ぶ将校達に向かって言った。
「なあに…どうせ山中で虫に喰い殺されて終わりだ。もし里に下りても、その時は我が国の優秀なる治安警察が張り巡らした情報網ですぐに見つけ出してやる!」
大佐は胸の勲章をチャラチャラ鳴らしながらガハハハハと笑った。一人の若い将校が言った。
「大佐、虫が里に下りて人を襲ったら危険です。付近の住民に注意を呼びかけましょう」
「馬鹿者!我が研究所の秘密は絶対に外部に漏らしてはならんという事を忘れたか!?地元民など放っておけ」
「いいえ、自分は行きます!」
「小癪な!」
大佐は拳銃を抜いて若い将校を射ち殺した。
「反逆者には制裁を与えねばならん。あの小娘共もな…」
大佐の目には地獄の色が浮かんでいた…。

その頃、5人の女達は古い山小屋に逃げ込んでいた。
「レイラ…ごめんね…ごめんね…」
「泣かないでください、ユーリさん。レイラさんの死を悲しみの種にしちゃダメです」
レイラの死から立ち直れないユーリを慰めるのはメガネをかけたお下げ髪の少女だ。
「そうだ。私達の使命はこの恐ろしい事実を人々に知らしめる事にある。まずは無事に山を降りる事だ…でないとレイラの死が無駄になる」
短髪の女が言った。
「でもどうやって里まで出るのよ?外は兵隊と虫でいっぱいよ?」
長い髪の色っぽい女が言った。
「……」
この中で最年少の少女は極端に口数が少なく、さっきから黙ったままだ。短髪が言った。
「とりあえず全員、顔と名前が一致しないので自己紹介でもするか」

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